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[column]編集入門 師範がすすめる校長本
イシス編集学校の師範たちが、これから編集について学びたい、という方におすすめ三冊を案内しました。
基本の編集術なら『知の編集術』(講談社現代新書)、基盤の編集工学なら『知の編集工学』(朝日文庫)が、いわば2大バイブル。でも「編集」は日々にも人生にも歴史にもあるだけに、入り方はさまざま。さて、どのリコメンドがあなたの助けになるでしょうか?
後藤由加里 師範(英語教育)
『日本流』ちくま学芸文庫 2009年
┗ あはれとあっぱれ。モドキと見立て。ウツとウツツ。日本を深く味わい、日本をどうしようもなく好きになれる一冊。
白川雅敏 師範(編集者)
『17歳のための世界と日本の見方──セイゴオ先生の人間文化講義』春秋社/2006年
┗ <人間文化>を学ぶ「見方」をこそ、モノにしてください。
美濃越香織 師範(団体職員)
『本から本へ』角川文庫 2018年
┗ 読書は交際。「夢見る力」と再会を。
森井一徳 師範(日経BP社)
『日本問答』岩波新書 2017年
┗ 「面影はおぼつかないから情報的に強靭になる」。そんな方法日本を感じられるようになるまで編集をやめない。
山根尚子 師範(ヨガインストラクター)
『謎床─思考が発酵する編集術』晶文社 2017年
┗ 松岡校長がおススメする「目次読書法」から入ってほしい一冊。おいしい目次が粒ぞろいですよ。めしませコトバ、ふっくらカラダ。
井ノ上裕二 師範(レンゴー)
『山水思想』ちくま学芸文庫 2008年(初出2003年)
┗ 松岡正剛は重力ではない。絶え間なき越境だ。グローバリズムの席巻に辟易する今日だからこそ読まれるべき。
川野貴志 師範(金蘭千里学園 国語科教諭)
『日本という方法』日本放送出版協会 2006年
┗ 編集学校の編集術、編集工学的世界観は普遍性に富んでいますが、その下地には日本らしい考え方、日本にしかない概念がゆるぎがたく組み込まれています。
若林牧子 師範(食と農のコーディネイター)
『ルナティックスー月を遊学する』中公文庫 2005年
┗ 「月はわれわれの未知の記憶を照らしている」
ふと冷静になって月から見た地球にいる私を覗いてみたくもなるのです。
和田めぐみ 師範(WCRP日本委員会)
『18歳から考える 国家と「私」の行方』春秋社 2015年
┗ 歴史は過ぎ去った出来事の集積ではありません。いま、ここが歴史の先端であり、歴史的現在に私たちはいます。情報を紐づけて、紐解いていく、校長編集を堪能して欲しいです。
猿子修司 師範(ビルメンテナンス)
『白川静』平凡社新書 2008年
┗ 励ましの本ですね。いったい自分は何ものなのかを考えるよりも、ずっとずっと大切なことが綴られている気がします。編集をあきらめてはならぬのです。
いかがでしたか?
2018年だけでも、校長松岡正剛の著書は14冊刊行されました。Webでは、大いなる編集のお手本でもあるサイト『千夜千冊』は刻々更新され1700夜に近づいています。さらにWebから文庫へ、テーマごとに編集構成されてシリーズ出版されている『千夜千冊エディション』は、今年も続々刊行予定です。どうぞお楽しみに。