エディットツアー
無料の編集力チェック

輪読とは・・・

◎輪読座への参加の心構え

  • 1.予習禁止=輪読座は「無知」と「未知」を尊びます。予習の多くが先行する意見・定義の再認であって、自由な発想をさまたげる。輪読座では人が読むのを聞いて思いつく自発的意見を重視し、教科書の文言や通説、既存の学説・解釈の受け売りや代弁を禁止する。
  • 2.読めない状態の参加でよい=輪読座では配布されるテキストを声に出して読みまわします。そのとき、読み間違い、読めない文字の飛ばし読み、たどたどしい読み方などをとがめない。そのたいがいに重要性はない。人が読むのを聞き、自分が読んでいるうちに発声の呼吸・調子が分かって読めるようになってきます。読み手が読めないところを聞き手の読める人がフォローすることは許可する。
  • 3.疑義に発言・応答する=知らないワード・人名・地名などは休憩にネットでチェックすればよい。しかし、どうして?なぜ?が生じたら、それを提示しなくてはならない。それは既存の知識では解決できないことが多い。そのときは全員が自由に見解を発露してよい。輪読師が疑義を投げかけたら、思いつくままに答えなくてはならない。疑義や答えを誹謗してはならない。疑義や答えのフォローは許可する。
  • 4.読みまわした内容の編集と発表=輪読座では、読む対象の時代状況、その内容のよってきたる所を重視し、それを輪読師が「図象」(ずしょう)で提供。「図象」では読む対象ならではの特殊な用語・術語の図示による解説も行い、内容把握の障害をできるかぎり除いて輪読をはじめる。その中間で読んだ内容を二人組で三環連結・三位一体・二軸四方などを組み合わせて図示し発表。参加者は必ず、これを実行しなくてはならない。
  • 5.宿題が出る=人間は忘却の動物である。読み終われば、次の瞬間、内容を忘れる。そこで輪読の終了後、その日から一週間以内に読んだ内容を読み返さないとできない宿題が出される。その答案は輪読師が毎回提供する「図象」の型を参照して作成。そのうちの2、3の答案を、次回の輪読の開始の前に発表していただき、前回の内容を思い出して次の輪読に入る。宿題を提出しないからといって論読座への出席は拒否されない。宿題の答えを出さなければ、読んだ内容を説明できなくなることが多いが、これは自業自得とする。

難読古典を輪読し、図象解読する
イシス唯一のリアル読書講座

難読といわれる日本の古典。古事記・日本書紀、万葉集にはじまり、聖徳太子、空海、閑吟集、三浦梅園、西田幾太郎、折口信夫、井筒俊彦、南方熊楠など。輪読師である高橋のナビゲーションのもと、輪読し、図解していきます。
輪読師・高橋秀元は、松岡正剛と共に工作舎を立ち上げ、オブジェマガジン『遊』を世に送り出してきたコアメンバーの一人。松岡が「学者10人力」という博覧強記の編集者です。日本の神々について独特の解読を進め、観念の技術をめぐり執筆を続ける一方、出版や日本文化・観光・都市の研究、地域振興や文化施設などのプランに携わっています。
輪読座では、予習や前提知識も必要ありません。図象(ずしょう)と呼ぶ高橋が構成した“概念曼荼羅”を介し、お互いに声を出しながら輪読する事で解読力が自然とついていきます。

古典の歴史、概念の前提を輪読師・高橋が図象で徹底解読

古典の歴史、概念の前提を
輪読師・高橋が図象で徹底解読

声を出す輪読と輪読師解説で難読古典も通読できる

声を出す輪読と輪読師解説で
難読古典も通読できる

図象ワークを通して自ら解読し、
伝える力を養いアウトプットする

「『太平記』を読む」のご案内

いまから700年ほど前、後醍醐天皇の倒幕計画から鎌倉幕府の滅亡、建武の新政を経て、ふたりの天皇・ふたつの朝廷が並び立つという前代未聞の南北朝対立、さらに室町幕府へと時代が激しく移り変わる大動乱期がありました。後醍醐天皇の即位(1318)にはじまり、10才になったばかりの足利義満が三代室町将軍に就任する(1368)までの50年間におこった様々な出来事を描き、40巻にまとめられた状態で現在に伝えられているもの、それが『太平記』です。

 

一般的には「軍記物語」等と称されますが、輪読師バジラ高橋は「前もってストーリーを定めて仮構する〈文学〉でもなく、後世に合戦の部分だけを取り上げて軍事の研究素材とした〈軍記〉などと規定することもできません」と切り込みます。では一体なんなのか。

 

『太平記』は、長い年月をかけて複数の人物によって書き継がれたのではないかと言われています。社会変動をおこす謀議、動乱から文化的なイベントまで、事件が発生するたびに筆者が事件発生の現場情報を収集し、それを表現するのにふさわしい新たな文体を採用して短くて300字、長くて3000字程度のレポートに編集されています。事件の全容に加えて、それが合戦、動乱であったなら事件現場におこる血ぬられた残虐や破壊、それにかかわった、あるいは巻き込まれた人々の極限状態の愛情、心情、あるいは裏切り・忠節・右顧左眄・ねたみ・おもねり・功名心などを、文化的な事件なら、そのしつらいや人々の行いをふくめてまるごとそのままに記し、ときには、当時の世界史というべきインド・中華・韓半島におこった同様な事件の経緯を付したり、民間に流布する噂や事件の現場に居合わせた僧侶や隠者の見解なども収録されました。このような「現在の動的状態を記し、編集しつづけたレポート」が累積されて『太平記』が生成されていったのです。

 

今回、輪読座で『太平記』を読むにあたり、輪読師バジラならではの「読み」の視点を持ち込みます。

 

 

1)ニューメディアの配送ネットワーク上に出現した『太平記』

 

『太平記』のレポートを記述するのに用いられたのは「往来物」の文体です。京都と鎌倉に政府が樹立された鎌倉時代、両都のヒト・モノ・カネ・情報の往還が著しくなり、情報を伝達するメディアとして「手紙」(メール)が縦横無尽に交換されるようになりました。自分の現状を記す「日記」とは違い、他者を想定しながら伝える「手紙」というニューメディアの配送ネットワーク上に『太平記』は成立し、ネットワークの運営集団が『太平記』の細密な現場情報の収集機関となっていたことに着目します。

 

 

2)フェイクだからこそのリアリティ

 

現代のインターネットによるメールやニュース配信、各種サイトの情報発信が爆発的に増加している状況と同様に、手紙(メール)による文書の情報量が急増した当時、フェイクや虚偽なりすまし、デマや詐欺や敵とみなした相手への攪乱情報などが多く発生し、それらが南北朝の情報戦に利用されていきました。誤記と指摘されることもある『太平記』の記述は、その当時に流されたフェイクニュースなどをそのまま記載したと考えるのが妥当です。近代以降の細かな文献精査によってやっと明らかになったような事実と『太平記』に記されたレポートに差異があるときは、その差異にこそ現場のリアリティを感じます。フェイクがもたらすエディトリアリティ(編集的現実)こそが重要な情報価値を現在に残しているとも言え、それも考慮して『太平記』を読んでいきます。

 

 

3)いかなるイデオロギーにも加担しない記述

 

『太平記』を読むと、身分の上下関係は無視され、いかなる既存のイデオロギーによる正邪、善悪、正統・異端といった対置概念による判断を避け、ただ現場におこった事実をそのままに記すことに徹していることが分かります。

 例えば、後醍醐天皇の后妃が多く、たくさんの皇子が生まれたことを「蝗(いなご)は群れて多くの子を産むとか・・・」と表現するように、天皇そのものに特別な敬意を払っていない。ましてや、楠木正成や新田義貞といった後世にヒーロー(hero)扱いされ人物にも、足利尊氏や高師直などヒール(heel)扱いされた人物にも公平に評価や批判を加えています。評価軸として、世間の噂や旅の僧や隠者の口を借りたり、当時の世界史(天竺・中華・高麗・日本)の歴史的事項が引用されたりしていますが、これが東洋史を忘れた現代日本人にとって『太平記』を読みにくくしている点でもあります。そのような箇所は輪読しながら、輪読師バジラが解説していきます。

 

 

4)『太平記』は誰が書いたのか?

 

バジラ高橋は、雑誌『遊』の取材を機に歴史民俗学者・和歌森太郎(1915~1977)に私淑していた時期があります。和歌森氏は『太平記』の編集意図を重視し、その編集者を明らかにすることで『太平記』の真価を世に問おうとしました。旧来の『太平記』の評価をくつがえす考察を和歌森氏から聞いて以降、バジラ高橋は『太平記』の精読を開始。初期・中期の『太平記』の筆者と、それらが依拠した情報ネットワークを究明することをライフワークとし、日本中世の様々な情報文化を渉猟しながら「初期太平記」「中期太平記」の筆者について論証を重ねてきました。それが誰であったのかは、輪読座の解説において明らかにしていきます。

 

以上は、輪読師バジラ高橋の読みの一端です。さらなる視点を読衆のみなさんと共有しながら、ひとりでは決して太刀打ちできない世界を「輪読」によって読み解いていきます。その先で、輪読師の想像すら越える『太平記』の「あらたな読みの発見」をご一緒しましょう。

 

 

輪読座「『太平記』を読む」のスケジュール

第一回 後醍醐天皇の謀反と隠岐配流

第1巻:後醍醐天皇即位と後醍醐天皇の政策、後醍醐天皇の討幕計画とその露見

第2巻:鎌倉蔵幕府軍上洛、後醍醐天皇は御所脱出

第3巻:笠置山寺に、後醍醐天皇、楠正成に会う。六波羅庁軍と楠正成の赤坂城攻防戦

第4巻:後醍醐先帝、隠岐流罪。児島高徳、後醍醐先帝にメッセージを伝える

第5巻:鎌倉幕府、光厳天皇を支援。執権北条高塒の行状。護良親王、危機一髪で吉野に逃れる。

後醍醐天皇が討幕の謀議の隠れ蓑にした無礼講

 

第2回 鎌倉幕府滅亡

第7巻:楠正成、千剣破(ちはや)城に幕府軍100万を翻弄、新田義貞、倒幕の志を固める。後醍醐先帝、隠岐島脱出。船上山に名和軍団、幕府側勢力と戦う。

第9巻:足利高氏、幕府軍を率いて京都へ。足利高氏、離反して丹波篠原に徴兵。六波羅庁、陥落。近江・番場に六波羅庁の全員が自害。光厳天皇、京都に護送。

第10巻:新田義貞、鎌倉攻略。北条一門自害。

楠木正成、千剣破(ちはや)城の籠城戦

 

第3回 建武の新政とその崩壊

第12巻:建武の新政、千種忠顕・文観の奢侈(しゃし=バサラ)。御所上空に怪鳥出現、その鳴声は、「イツマデ、イツマデ」。征夷大将軍・護良親王失脚、鎌倉に流刑。

第13巻:西園寺公宗のクーデタ計画。北条時行の中先代の乱。鎌倉の護良親王暗殺。足利尊氏、独断で北条時行鎮圧に出兵。

第14巻:後醍醐天皇、新田義貞に足利尊氏追討を命じる。新田軍を破った足利尊氏、京都占領。御醍醐天皇、延暦寺を拠点に首都奪還目指す。

第15巻:奥州の北畠顕家の騎馬軍団参戦。楠正成の謀略に足利尊氏・直義軍、京都から逃走九州に落ちる。後醍醐天皇、京都に帰還。

北畠顕家の騎馬軍団の戦い

 

第4回 南北朝開始

第16巻:足利軍、菊池軍を破り、北九州制圧。湊川の戦 楠正成・楠正季、自害。御醍醐天皇、延暦寺に避難。光厳上皇、東寺に入る。

湊川大合戦の図(芳虎画)

 

第17巻:後醍醐天皇、恒良親王に三種の神器与え新田義貞に託す。後醍醐天皇、再度退位、花山院に幽閉。恒良親王の北陸朝、足利軍と越前金埼城に戦う。

第18巻:後醍醐先帝、吉野に逃亡。高野山を制圧した根来寺の覚鑁(かくばん)、不動明王に変じて危難を逃れる。恒良親王と尊良親王の処刑(恒良親王は北陸に活動か)。玄恵、延暦寺を救う。

 

後醍醐先帝、吉野に逃れる                  

根来寺に新義真言宗を興した覚鑁

 

第19巻:光厳上皇、再度、光厳天皇に即位(南北朝開始)。足利尊氏・直義、政権樹立。新田義貞、越前国府攻略。北陸朝の恒良親王と後醍醐天皇の皇太子となりうる尊良親王の最期(恒良親王は北陸朝に活動か・・・)。奥州の北畠顕家、騎馬軍団編成、関東制圧、京都に向かうも青野原の戦に戦死。

 

第5回:足利尊氏と足利直義の対立、観応の擾乱

第21巻:足利勢力増大、佐々木道誉、皇族に狼藉(バサラ大名)。法勝寺の塔炎上。後醍醐天皇歿、南朝・後村上天皇即位。

佐々木道誉

 

第24巻:北朝、財政危機に朝廷の諸行事を行えず。夢想国師が建立した天龍寺での後醍醐天皇供養法要執行。

第26巻:楠正行、吉野朝廷に参上。楠正行・高師直の決戦。楠正行の最期。高師直、吉野急襲。吉野朝、賀名生に逼塞。

第27巻:京都に怪奇現象、人々は不安におののく。四条河原・桟敷倒壊事件(猿楽大流行)。愛宕山・未来予言記。高兄弟の軍勢、足利尊氏邸を包囲。足利直冬、九州へ退避。足利義詮(よしあき:後の二代将軍)、鎌倉より上洛し、北朝政権の中枢へ。

第28巻:足利尊氏、足利直冬討伐に九州に向かう。足利直義、京都から出奔、吉野に入り南朝に服属。

足利直義(日本の諸国を武力で制圧した者を統合して封建体制を敷こうとした足利尊氏に反対し、天皇のもとに統一政権を目指す足利直義の南朝に帰したことが感応の擾乱を巻き起こした)

 

第29巻:吉野朝・足利直義連合軍、京都制圧。足利尊氏、京都を奪還に向かうも敗退。足利尊氏と義詮軍、京都を退去し山陽地方に退避。足利直義と足利尊氏の和平成立、高兄弟の最期。

第30巻:足利直義、京都を離れて北陸へ(付殷の紂王の事)。越前から撤退し、鎌倉へ移動。足利尊氏、関東へ向かう。足利直義歿。足利義詮の吉野朝工作失敗。足利義詮、近江へ退避。南朝軍、京都奪還。南朝、北朝の光厳上皇らを拉致・吉野に幽閉。

 

 

第6回:守護大名、次々に北朝に帰し、光厳法皇の諸国遍歴

第32巻:第北朝の後光厳天皇即位。山名一族、南朝に帰す。足利義詮、美濃に逃亡。足利尊氏と戦う足利直冬、南朝と連合(付 獅子王とその子の物語、虞舜の物語)、京都を制圧(付 宝刀・鬼丸と鬼切の由来)。足利義詮軍、神南の戦に直冬・山名連合軍を破る。

第33巻:足利尊氏、京都奪還、光厳上皇ら、京都に帰還。足利尊氏歿。

第34巻:足利義詮、第2代将軍に就任、畠山国清、関東より大軍を率いて上洛。足利義詮、大軍を率いて吉野を攻めるも成功せず。

二代室町将軍足利義詮

 

第35巻:第3節、第4節=南朝、攻勢に出て摂津攻略。北野天満宮において、3人の登場人物、現代の政治について論ず。

第36巻:南朝の後村上天皇、天王寺金堂再建。足利家管領の細川清氏と守護大名・佐々木道誉の対立激化。反幕府勢力、東西に台頭。

第37巻:南朝軍、京都攻略。将軍義詮、近江に逃走。南朝軍、京都から撤退。後光厳天皇、京都に帰還。

第38巻:彗星出現・地震勃発・琵琶湖の水位急降下。全国の南朝方、一斉に蜂起。斯波氏経、九州平定に下向。九州の菊池武光、大いに武威を振るう。南朝方の伊豆を制圧した畠山国清、敗北し流浪して死去。元管領で南朝方となった細川清氏、四国に死去。

第39巻:南朝方の大内氏・山名氏、北朝に帰す。高麗国の使者、倭寇の鎮圧を求めて来訪。光厳法皇、諸国を遍歴して死去。

第40巻:後光厳天皇、清涼殿に和歌会を盛大に開催。鎌倉府の足利基氏死去。2代将軍足利義詮死去。三代将軍就任をほのめかして、『太平記』の記述終了。

日本哲学シリーズ
輪読座「『太平記』を読む」のご案内

日 時

全日程 13:00〜18:00

 

全日程 13:00~18:00

 

2024年4月28日(日)

2024年5月26日(日)

2024年6月30日(日)

2024年7月28日(日)

2024年8月25日(日)

定  員

30名

受講資格

どなたでも、お申し込みいただけます。
定員になり次第、締め切らせていただきます。

受 講 料

◎リアル講座:6回分 税込価格 55,000円(税込)

ふだんは公開されていない2万冊の本棚空間・世田谷豪徳寺の「本楼」にお越しいただけます。博覧強記の輪読師バジラ高橋の解説を聞き、他の座衆とともに声を出しながら輪読し、グループワークや宿題の発表にも取り組む。そのすべてをリアルに体験できる時間は格別のものになるでしょう。休憩時間にはバジラや座衆と交わし合うのもよし、本楼という異世界を静かに味わうのもよし。ご自由にお愉しみください。毎回、記録映像や資料が共有されますので、万が一欠席された場合でもキャッチアップが可能です。

 →受講申し込みはこちらから

 

 

 

◎リモート参加◎:6回分 税込価格 33,000円(税込)

各回当日に、講義の様子をリアルタイムでご覧いただける閲覧URL(Zoom)と輪読師バジラ高橋の講義資料や輪読テキストのダウンロード方法をご案内します。資料を手元に置き、輪読座の生中継をご覧いただくスタイルです。資料や課題共有はリアルの参加者と同じWEB上のラウンジで行い、記録映像は期間中いつでもご視聴いただけます。遠方の方や時間の調整が難しい方も、ぜひリモートでお愉しみください。

 →受講申し込みはこちらから

 

 

 

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