発想こそセンスではなく、方法である
新商品・新サービスのリリースサイクルが目まぐるしく速くなり、未来の市場を見越した新規の開発についての発想や創造が求められています。アイデアや発案は個人のセンスによるものであると思われていますが、「編集」は発想力を磨き上げる方法です。具体的な案件にあわせて、発想のための編集の型を組み合わせた実践的な研修を提案いたします。
情報には必ず「地」と「図」がセットになっています。情報をどういった「地」で見るのかによって、同じ情報でも「図」としての捉え方が変わります。
御社の商材や連想した情報の「地」を変えてみることで、固定した視点を動かし、新規企画・事業の発想の手がかりをどんどん広げていきます。
3つの情報を扱う「編集思考素」は理解・記憶・伝達の型として優れています(三方よし、ホップ・ステップ・ジャンプ、見ざる・言わざる・聞かざる、S・M・Lなど)。また、それだけではなく、新しいアイデアを発想するための型としても活用することができます。たとえば、「一種合成」は2つの情報を組み合わせて、別の情報を生み出すことができます。3つの情報のオーダーをつける「三間連結」は、過去・現在の情報から未来の情報を想起する型としても使えます。シンプルな例ですが、スマートフォンはパソコンと携帯電話の一種合成によって考えられています。
人を活かし、人を動かす編集がある
社員のメンタルケア問題、早期退職、育成スキルの停滞など人事育成の悩みは組織にはつきものです。その原因は部下に対する視点の固定化、仕事のインストラクションの不備、モチベーション向上のためのコミュニケーションの欠落などがあります。育成側の情報編集力を向上することで、人と組織を生き生きと動かすことが可能になります。
前提として、「発想」は個人のセンスではないということ、さらに普段は意識していない「編集」のプロセスを意識し、その方法を「型」として身につけることで、誰もが鍛えていけるもの、という考え方が基本にあります。コミュニケーションにおいては、相手の発想や思考のプロセスを取り出し、クセや不足する方法を交換していくことがまずは重要になっていきます。
事例:
- ●証券会社「新人の力を引き出すインストラクション」
- ●セキスイエクステリア「企画提案力は情報編集力」
自社らしさを共に創るビジョン編集
トップから与えた企業理念が浸透しない。M&Aした会社とのビジョン共有が難しい。グローバル化した現代社会で、一丸となって進んでいくには、ビジョンにコミットしながら、自分たちのビジョンにしていくプロセスが不可欠です。編集工学の手法では、特に自社の歴史と「らしさ」をベースに、新たな未来を創出するプロセスをサポートいたします。
理念には歩んできた過去のルーツとこれから向かう未来像があります。帰納的・演繹的ケーススタディから自社「らしい」事例を抽出し、仮説・再編集をかけます。より精度の高い言葉とメッセージとして浸透しやすい未来へ向けた理念を、仮説・策定していきます。浸透のためのワークショップ設計も可能です。
イメージによって「理解」は急速に進みます。メッセージとヴィジュアルを同時に提示することで、理念の言葉が意味する「感じ」や「シーン」が自分ごととしてを伝わります。
さらに、理念ができた背景や決定プロセスを理解し、ビジョンを正しく理解し、共感するためのツールや習慣を提供することが重要だと考えています。
事例:
- ●中川政七商店「若手が自社の未来を編集するワークショップ」