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輪読座

 

 編集工学研究所フェロー 高橋秀元が、輪読と図象ワークに
よって読書を促進する輪読座を開催しています。

 近年、読書が推奨されていますが、読みたくても読めない本があります。そのような難読といわれる日本の古典を中心に、輪読師である高橋のナビゲーションのもと輪読をします。

 予習や前提知識も必要ありません。図象(ずしょう)と呼ぶ高橋が構成した“概念曼荼羅”を介し、お互いに声を出しながら輪読する事で解読力が自然とついていきます。

 2014年秋開講の『伊勢物語』からスタートした「サテライト輪読座」。 全6回にわたる講座を動画共有サイトで生中継いたします。各回の資料や課題共有はリアルの参加者と同じWEB上のラウンジで行い、記録映像と記録音声を期間中いつでもご拝聴いただけます。
 ぜひ、遠方の方や時間の調整が難しい方のご参加も、お待ちしております。



バジラ高橋

高橋秀元

松岡正剛と共に工作舎を立ち上げ、オブジェマガジン『遊』を世に送り出してきたコアメンバーの一人。
日本の神々について独特の解読を進め、観念の技術をめぐり執筆を続ける一方、出版や日本文化・観光・都市の研究、地域振興や文化施設などのプランに携わる。
イシス編集学校で密教のヴァジラ(金剛杵)を冠した教室を開いたことから、「バジラ・タカハシ」が仇名になっている。

 

 

 

 

 

  輪読座・日本哲学シリーズ第五弾

    「空海・最澄 両読み①」のご案内


 永らくお待たせいたしました。これまで、空海と最澄の両読みをするにあたって、なにを読めば、日本哲学の二大潮流をなす、「天台-禅・浄土・法華」と「空海密教」の相違を把握しつつ、それらを二十一世紀の日本の思索に役立つ輪読になしうるかに悩んできました。
 若干の体調不良もあり、みなさまへの告知が遅れてしまいました。広尾の都立中央図書館に通って、最澄と空海の書き下し、現代語訳を読みあさって、次のように空海・最澄両読みのプログラムを決しました。まず、これをご覧ください。

空海・最澄 両読み① 2017年10月~2018年3月

◎第1回~第2回=最澄『顕戒論縁起』を読む
天台宗成立の理論的根拠のよってきたる所を述べる。

◎第3回~第4回=最澄『決権実論』を読む
筑波山に住した法相宗の徳一との論争に、「法の相」は「権」(仮)とし、「法の性」を「実」として、法相宗から法性宗への転換を促した。法性の探求は天台宗から禅宗・浄土真宗・法華宗に受け継がれ、西田幾多郎の哲学に及びました。これは軽く近代が依拠するヘーゲル哲学を軽く乗り越える哲学潮流の水源となっている。

◎第5回~第6回=空海『弁顕密二教論』を読む
空海が最澄の法性を探求する仏教を顕教とし、密教との相違を述べた。現代哲学のいずれも、空海密教の世界像に論及していない。

空海・最澄 両読み② 2018年4月~2018年9月

◎第1回=最澄『山家学生式』を読む
最初の節に「照于一隅」(一隅を照らす)の一句がある。これは社会の一隅にあって、そこを照らす者こそが菩薩であるとする。このような菩薩を育てるために、比叡山に新たな大乗戒壇を設立する決意を示した。

◎ 第2回~第4回=空海『声字実相義』を読む
空海は人間の認知する波動世界を有限としたが、そこに無限が混じっていると考えた。この無限を全波動が引き起こす世界とし、そこから人間の認知する波動世界を考察した。波動は声・字に限定される「情報」ともなり、いわば「情報」が「物資」を生じるという理論を展開する。

◎ 第5回~第6回=空海『即身成仏義』を読む
身体(フィジカル)が波動の固着とすれば、身体を具有する人間存在は、そのまま成仏していることを説く。

 以上のプログラムをご覧いただきましたら、早速、「空海・最澄両読み①」への参加をお申し込みくださいませ。

 これを十月七日に決意を固め、以上のプログラムで行こうと決めて、その案文を編集工学研究書に送ろうとコンピュータを背負って「出雲①鉄王スサノヲ」の旅に出立し、永年、実見したいと思っていた「蹈鞴製鉄」に立ち会うなど、充実した日々でしたが、どこにもコンピュータ環境がなく、帰還してからも、感冒に伏して、ようやく最後の案文に到達いたしました。再度、空海・最澄を読み直してみると、最澄が真面目な中にすっ飛んだところがあって、骨があってなかなか良いんです。
 最澄を輩出した一族の文化に特異なものがあって、これが桓武天皇を魅きつけたのでした。それで、今回の案内文は、最澄を生み出した歴史的環境を眺めてみることで、皆様の「空海・最澄両読み①」への参加への呼びかけとしたく思います。そこには日本史がおろそかにする外交、文化の国際交流・対決構造が存分に織り込まれています。
 今や輪読座に参加しようとする有志に、誰かから聞いたり、教育で刷り込まれた情報を「既知の情報」として、それを易しいと思い、誰かが気づいていながら、聞いたこともない情報を「未知の情報」と勘違いして、それを難しいとするような怪しい感度をもって臨む人はいないでしょうから、以下の「知らなかった情報」は、一応、了諾していただいて、読み飛ばしながら、楽しんでいただきたい。
 もっとも、最澄はたとえ神々であろうと、どんな賢者であろうと、未だに誰も知らない情報を「未知の情報」とし、それを切り開く「法の性」こそが、人間に備わる精神としました。それまでの日本仏教は「法の相」を探求する法相宗でした。この法相宗から法性宗に切り替えたのが最澄でした。
 最澄の出現は、中大兄皇子=天智天皇にはじまる天智朝と深く関わっていました。天智天皇の後継者、大友皇子が壬申の乱に一時途絶えて、天武朝になって、部族連国家・倭国は律令国家・日本となったのですが、天武朝は、神護景雲4年(770)、称徳女帝が没して途絶え、天智天皇の孫で、称徳女帝の妹の井上内親王を妃とした白壁王が光仁天皇となって、天智朝が復活したわけです。
 光仁天皇は、天武朝と天智朝の統合を象徴していたわけですが、これらのしがらみを断ち切って、日本をリセットしようとしたのが、白壁王と百済武寧王の子孫と称する渡来系氏族、和氏出身の高野新笠との間に生まれた山部王でした。山部王は残忍な謀略を駆使して、桓武天皇に即位しました。桓武天皇は深い心の闇を抱えざるをえなかった。最澄は、その救いようのない桓武天皇を救済する仏教こそが“真の仏教”とし、天台宗を選択したのです。それは華厳思想に続く「法性宗」であって、後世に日本の禅宗・浄土宗・浄土真宗・日蓮宗を派生させたわけです。

 それにしても、最澄が出現した背景には、大津宮に天智天皇を迎えた比叡山山麓に古墳時代に南鮮から入植した特異な共同体群があったわけです。今回の案内文は、最澄を生み出した文化環境を基礎に、それを大づかみにしていただけましたら、ありがたく存じます。ちなみに、「空海・最澄両読み②」においては、空海を生み出した言霊的文化環境を概説いたします。


◎輪読座への参加の心構え

1.予習禁止=輪読座は「無知」を尊びます。予習の多くが先行する意見・定義の再認であって、自由な発想をさまたげる。輪読座では人が読むのを聞いて思いつく自発的意見を重視し、教科書の文言や通説、既存の学説・解釈の受け売りや代弁を禁止する。

2.読めない状態の参加でよい=輪読座では配布されるテキストを声に出して読みまわします。そのとき、読み間違い、読めない文字の飛ばし読み、たどたどしい読み方などをとがめない。そのたいがいに重要性はない。人が読むのを聞き、自分が読んでいるうちに発声の呼吸・調子が分かって読めるようになってきます。読み手が読めないところを聞き手の読める人がフォローすることは許可する。

3.疑義に発言・応答する=知らないワード・人名・地名などは休憩にスマホでチェックすればよい。しかし、どうして?なぜ?が生じたら、それを提示しなくてはならない。それは既存の知識では解決できないことが多い。そのときは全員が自由に見解を発露してよい。輪読師が疑義を投げかけたら、思いつくままに答えなくてはならない。疑義や答えを誹謗してはならない。疑義や答えのフォローは許可する。

4.読みまわした内容の編集と発表=輪読座では、読む対象の時代状況、その内容のよってきたる所を重視し、それを輪読師が「図象」(ずしょう)で提供。「図象」では読む対象ならではの特殊な用語・術語の図示による解説も行い、内容把握の障害をできるかぎり除いて輪読をはじめる。その中間で読んだ内容を二人組で三環連結・三位一体・二軸四方などを組み合わせて図示し発表。参加者は必ず、これを実行しなくてはならない。

5.宿題が出る=人間は忘却の動物。読み終われば、次の瞬間、内容を忘れる。そこで輪読の終了後、その日に読んだ内容を読み返さないとできない宿題が出される。その答案は輪読師が毎回提供する「図象」の型を参照して作成。そのうちの2、3の答案を、次回の輪読の開始の前に発表していただき、前回の内容を思い出して次の輪読に入る。宿題を提出しないからといって論読座への出席は拒否されない。宿題の答えを出さなければ、読んだ内容を説明できなくなることが多いが、これは自業自得とする。




輪読座・参加者の声


輪読座でなければまず一人で読むことがない書籍ですよね。
図像含め横へ広がる話がとても刺激的です。
手の付けにくい本でもみんなで読むと読めてしまう。
これは予想以上に面白く続けたいです。
図像ワークもチームでやるので、コツが少しずつわかるようになり、理解が進みました(教えてもらえます)。
読みを深め、内容をイメージすることが、この場に参加しなければ絶対できなかったと思います。

募集要項

講座名 輪読座
 日本哲学シリーズ第五弾「空海・最澄 両読み①」
日時  2017年 10月29日(日)13:00~18:00
 2017年 11月26日(日)13:00~18:00
 2017年 12月24日(日)13:00~18:00
 2018年 1月28日(日)13:00~18:00
 2018年 2月25日(日)13:00~18:00
 2018年 3月25日(日)13:00~18:00
    (終了後、修了証書授与・懇親会を予定)
場所 編集工学研究所 世田谷区赤堤2-15-3
1Fブックサロンスペース「本楼」
定員

30名 ※どなたでも、お申し込みいただけます。

    定員になり次第、締め切らせていただきます。

申込

◎リアル講座:6回分 税込価格 54,000円(本体価格 50,000円)
     ※クレジットカードがご利用になれます。(分割払い可能)
     ※記録映像データ、資料などは欠席された場合、お渡しいたします。

申込み

 

◎サテライト講座:6回分 税込価格 32,400円(本体価格 30,000円)
         
※クレジットカードがご利用になれます。(分割払い可能)

申込み

お問い合わせ先 03-5301-2213(直通)
front_es@eel.co.jp
受付時間 AM10:00~PM6:00

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