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SPECIAL INTERVIEW

スペシャルインタビュー

株式会社
リクルートマネジメント
ソリューションズ

代表取締役社長

奥本英宏

企業研修の
リーディングカンパニーを率いる
奥本英宏社長が語る

“これからの時代は
「情報編集力」が必要です”

Q:VUCAの時代に、なぜ「情報編集力」が必要だと思いますか?

A:今、企業が直面しているマーケットの課題は、よりあいまい化、複雑化しています。企画セクションや上司が決めた方針をただ実行するだけでは変化が速い市場に対応できません。個人が主体的に情報を編集しつつ、顧客との「あいだ」に魅力的な価値を生みだしていくことが、どの現場にも求められています。正解がない時代、いかに多様な見方を持ち、ものごとのあいだに新しい意味づけをしていくのか。誰もが情報を編集する力を持つ必要があると思います。

Q:どういう組織や団体にお勧めしたいですか?

A:限定的に考えてはいません。環境変化の中で、全ての組織や団体が情報編集力を高めることが重要だからです。あえて言えば、マーケティグや開発組織や企画系のチームなど、新しいパラダイムシフトを起こす必要がある場に関わる全ての人でしょう。

Q:そうした組織はどのように研修を導入すればいいでしょうか。奥本さんが推奨する導入方法はどんな形でしょう?

A:まずはリーダーやマネージャーといった、組織の先頭に立つ人が、「情報編集力」を身につけることが基本ですね。ぜひ受講の際は、日々の思考パターンやスタイルを一旦脇に置いておいて、編集の稽古に没頭してほしいです。私自身、そうしました。編集の「型」は、組織やチームの活動における課題解決などに必ずしも1対1で対応しているものではありません。ビジネスに活かすには、まず「型」に入り、その組み合わせや応用する場面を、お題として自分に設定し演習してみる、というのがいいと思います。そして「型」を培ったリーダーが、変革力を高めたいチーム全体へと広げていくことが重要です。

Q:編集術の中で、特に有効だと考える「型」は何でしょうか?

A:全ての「型」が有効だと思いますが、特に[守]の001番「コップは何に使える?」、006番「たくさんの私」というお題で学べる情報の見方ですね。コップの使い方といえば、食器や楽器は当たり前です。積み上げて集中力を鍛えたり、海中の魚をのぞく道具にもなったり、といった具合に、コップという情報の見方を幾通りにも変えていくんですね。同様に「私」や「仕事」も、見方を変えることで多様に言い換えられるわけです。
これは「地と図」という編集の「型」で、情報を分母(ground)と分子(figure)として見るという方法です。言われてみれば当たり前なのですが、意図的にはできていない場合が多いです。戦術や事業ドメイン、サービスなどを考える上でも、顧客や社内でのコミュニケーションにおいても非常に大事な見方であり方法です。「地」をどう動かしてシフトチェンジを図るのか、という視点が不足していると、限定的なマーケットに留まり、より早く成果や変化を起こすことができずに行き詰まってしまいますよ。

Q:編集術を学ぶことのほかに、ネット講座であるイシス編集学校でビジネスパーソンが学ぶことの意義は何でしょうか?

A:ビジネスパーソンこそ、会社の外にでて、全く違う見方や発想を交わし合う場に出たほうがいいと思います。リーダーならなおさらです。イシス編集学校は、大人が本気で学び、かつ遊べる場です。10代から80代まで、さまざまな職業の方々が、編集稽古のプロセスを共有します。多様な人々と方法的に交じることで、世の中に対する見方や世界観が、多軸に広がっていきます。個々人が仕事観や生活観といったワークライフスタイルを考えなおし自在に変えていける、まさに「生きるための方法の束」を手にすることが実感できると思います。

奥本英宏

1992年、立教大学を卒業後、株式会社リクルート
マネジメントソリューションズの前身である株式会社人事測定研究所に入社。営業課長、営業企画課長を歴任。リクルートマネジメントソリューションズ発足に伴い、RDソリューションビジネス長として、採用・若手育成事業の責任者となる。その後営業部門の企画部部長を歴任。インターフローソリューション事業部 事業部長を経て、2011年10月、リクルートマネジメントソリューションズの代表取締役社長に就任。[守]・[破]講座では「多軸ピボット教室」の師範代を担当した。