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  • アート×編集

    文化と経済の新しい循環へ

    ライター・エディター
    京都岡崎魅力づくり推進協議会マネジャー
    春秋山荘ディレクター
    京都府在住
    破師範・離右筆

    福田容子

    ディレクターとして運営に携わる春秋山荘や、そこを拠点とするアートプロジェクト「森村泰昌MoriP100プロジェクト」は、「経済と文化の新しい循環」への挑戦。お金ではない別様の価値で動くアートと人の関係を育てようとしています。お金だけが価値基準となる時代が終わりゆくなかで、そうした世界観を言葉にして伝えること、共鳴する人々をつなぐことが私の役割だと考えています。

    ■京都・山科から拡がる多軸多色なアート展

    山科にある春秋山荘は滋賀県から移築した築150年ほどの古民家で、『夜想』編集長の今野裕一さんが京都の活動拠点として展開を始めたものです。展覧会、茶会、トークイベント、ワークショップなど、多軸多色にユニークな企画を開催しています。私はその運営をボランタリーなディレクターとして手伝っています。なかでも2017年からスタートした森村泰昌MoriP100プロジェクトは、会期中のイベント企画、現場運営、ワークショップのナビゲーターなど、さまざまに関わり注力しています。

    ■チームが自己組織化していく

    森村さんはこのMoriP100プロジェクトについて、What(何を)とHow(どうやって)については語られますが、Why(なぜ)について、本当のところは伏せて語られてないと思うんですね。ですから、関わるチームメンバーがそれぞれ自分なりにプロジェクトの「真のWhy」を読み解いて意味づけしていくことになります。関わる人たちが自律的に動き、意図や意思が自然発生的に立ち上がっていくこのチームのあり方は、私の考える編集的創発そのもの。また、多様な見方が相互共鳴して意味が深まっていくところは、まさに「インタースコア」です。

    ■これからの世界観を言葉で伝え、人をつなぐ

    編集学校では、ここにこなければ一生接点がなかったような異業種・異世界の人とごろごろ出会えます。そういう人達と一緒に学ぶことで開かれた自由は大きいですね。春秋山荘のプロジェクトに関わり始めたのも編集学校の先輩である大音さんにお声がけいただいたことがきっかけ。私にとって大事な出会いになりました。カチッとスイッチが入ってチームが起動していく鍵を握るのは、やはり「人」。一緒に将来を見つめられる仲間を常に探し続けているのかもしれません。

    先達文庫
    ジャンバッティスタ・ヴィーコ『自伝』
    シモーヌ・ヴェーユ『根をもつこと』

    TEXT:松原朋子

    「森村泰昌MoriP100プロジェクト」取材立会(2017年 春秋山荘)

    企画編集を行う春秋山荘ニュースレター。紙版に加え電子版での出版も

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