【期間限定】早期申込特典♪

~期間限定(9/30まで)~[守]基本コース早期申込特典 実施中!
==ビッグデータ時代到来。「物語る力」は編集稽古で身につける==

 

 ビッグデータに対する期待が高まるなか、情報を解読する高度な編集技術と、情報にストーリーを与える力がますます求められています。一見、ビジネスと物語にはなんの接点もないようですが、データ情報の解析とはすなはち、多量で非定型な情報群から「意味の束」を引き出し、そこから市場的・社会的な「物語の可能性」を読み取ってストーリーづけていくことなのです。

 

 編集工学者でありイシス編集学校校長の松岡正剛は、ビッグデータ時代に求められる技能として、①データを見分けられる技能②データを処理する技能③データを収納しておく技能④データを理解する技能⑤データから価値を取り出す技能⑥データ分析の結果を人に伝える技能⑦データ分析を物語にする技能 を挙げています。
新たな商品・サービス、トレンドをつくるのはいつの時代も「物語る力」であり、アイドル育成や塩麹・奇跡のリンゴといった例は、背景の物語とともに商品化がなされる現代の特徴といえるでしょう。

 

 イシス編集学校では、[守]基本コースで情報編集の基礎=「型」(上記技能①~③)を修得し、[破]応用コースで「物語編集術」(同④~⑦)を身につけます。[守]で学ぶ「型」は、日々接する情報を適切に解読する力につながり、[破]で学ぶ「物語編集術」は、仮説設定や企画立案、マーケティング戦略といったあらゆる仕事のプロセスに通じる力となります。

 

 ただいま、11月4日(月)開講の[守]基本コース(32期)の申込みがスタートしました。
9月30日までにお申込みいただいた方には、早期申込み特典として、書籍『物語編集力』(ダイヤモンド社刊・定価1800円)をもれなくプレゼントいたします。


監修:松岡正剛(イシス編集学校校長)
企画編集:木村久美子
(イシス編集学校「破」応用コース学匠)
執筆構成:イシス編集学校
発行:ダイヤモンド社
四六判・314頁
定価:1800円+税


 

 物語の五大構成要素や物語母型・物語回路を27点の事例とともに解説したこの一冊は、 [破]応用コースで学ぶ「物語編集術」の一端を垣間見ることができる内容になっています。なお、当校のカリキュラムでは、[守]基本コースで編集技術の基礎を身につけることで、 [破]応用コースに進むことができます。

 基本的な編集技能を身につけ、さらには人・仕事・社会を変えるシナリオメイク術を学ぶことができる[守]基本コース秋期講座は、下記よりお申込みいただけます。


第32期[守] 基本コース
 受講期間 2013年11月4日(月)~2014年3月2日(日)
 定員 150名(定員になり次第、受付終了します)
 受講資格 どなたでも受講していただけます。
 受講料 84,000円(税込)
 ※クレジットカードがご利用になれます。(分割払い可能)
  ※学割制度、再受講割引制度があります。
 受講申込 こちら
 お問合せ 学林局窓口

【早得キャンペーン】「編集する声」プレゼント。


6月30日までにイシス編集学校[守]基本コース夏学期
に申込むと、限定版の音声コンテンツがもらえます。
この夏「編集力で変わろう」という方はぜひお早目に。
校長・松岡正剛による「語りの編集」お楽しみください。

 

 [特典]

 イシス編集学校 校長 松岡正剛の「一册一声」他を
 1ヶ月無料視聴できます。
 (千夜千冊サテライトメディア「方」7月号)

[内容]
・イシス編集学校 松岡正剛校長の音声メッセージ。
・一冊の本の世界を、声と語りで編集する「一册一声」他
 千夜千冊サテライトメディア「方」の会員限定音声コン
 テンツです。
・7月は、千夜千冊ファンにも人気の2冊をとりあげます。
 『五輪書』(宮本武蔵)
 『ガンディーの経済学』(アジット・K・ダースグプタ) 


[対象]
 6月30日迄にイシス編集学校[守]基本コース(31期)
 お申込の方に、もれなくプレゼント。

 *ご視聴にあたり簡単なご登録手続が必要です。

 

ご応募、お待ちしております。

[守]基本コース 2013年夏学期
──────────────────────────────────────
受講期間:7月22日~11月17日
受講料 :84,000円/学割73,500円(税込)
内容  :ネット上の教室で師範代の指南を受けながら
     全38の情報編集の型を習得します。
   詳細・お申込みはこちらからどうぞ。
   http://es.isis.ne.jp/shu.html
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〈イシス編集学校 広報〉 

【編光景】29守一斉稽古・番選ボードレール発表!-3

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 ★ 新聞・猫 ★ 
          講評: 真武信一 師範

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 *講評*
 まるで今回の「新聞・猫」の全体を俯瞰したような作品です。
 手摺りも猫基準が大勢を占めているなかで、
 個別のイメージは追わずに、全体のトレンドそのものを
 共有イメージとしながら「時代」と「偏」を対比のキーワードに
 作品を作り上げた方針の見切りはお見事です。

 

 

 

*講評*
 親鸞の「無明長夜の灯炬(むみょうじょうやのとうこ)」と
 荘子の「無用の用(むようのよう)」という壮大な人物の言葉を
 持ち込みながらも軽やかさを保つことができている作品です。
 共有イメージも、新聞=ネガティブ、猫=ポジティブを採用する
 場面が多かったなかで、両方ともにポジティブイメージを強調
 しています。それはおそらく新聞と猫に対する優しい眼差しが
 基本となっているからでしょう。

 

 

 

 

 *講評*
 ごく普通の二つの飲み物の対比なのに、圧倒的なイメージが
 凝縮されてます。読み手のイメージの質と量によって、朝と夜、
 覚醒と鎮静、屋外と室内、コーヒーハウスとウイスキーキャット
 等々、いくらでも引き出せる懐の深さ。

 新聞も、猫も、コーヒーも、ウイスキーも、何でもない日常の
 物です。それを組み合わせることで、ここまで豊かなイメージ
 の起爆剤になる。まさに、ミメロギアの真骨頂といえます。

 

 

 

 

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 ★ 偶然・必然 ★ 
           講評: 木藤良沢 師範             

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 *講評*
 生き物にとって大昔から変わらないことです。生まれ
 出たからには時を経て亡骸に、しまいには骨になって
 土に帰る。生きとし生けるものの必ず通る道。

 卵・骨というのは動物をモデルとしていますが、生命
 一般への連想をもたらします。抽象化し過ぎず、余白
 を残した言選りも程よく、広がり深みを感じさせます。

 

 

 

 

 *講評*
 三叉路は、そればかり好んで描く画家がいる程に何か
 感じさせる力があります。ここで偶然と一緒になって
 なるほどはっきりしたことは、そこに何か起こりそう
 な気配を感じさせるということ。偶然の出会いを予感
 させます。

 一本道で偶然に出会うことが無いかといえば、そうは
 言えませんが、三叉路の偶然と対比されたとき相対的
 に決って何かが起こりそうな確信を持ってしまいます。

 

 

 

 

 *講評*
 運も実力のうち、とかなんとやら言いますけど、実の
 ところはさておいて、まぐれと思えるお子さんの快挙
 に、親御さんの喜ぶ顔。切っても切り離せないですね。

 左から右へ流れるように読めて、ひとつの物語を立ち
 上げる底力が十分に備わった言葉の並びになってます。

 左に事を立て「!?」と思わせて、右でなるほど納得
 させる巧みなハコビ方。各々ひとつだけでは完結せず、
 左右どちらが欠けても成り立たない関係。お見事です。

 

 

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 ●総評● ミメロギア考                    
              福澤美穂子 師範
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 イメージを凝縮した部分とそこから広がる全体の関係。
 そこには、「要約編集」と「連想編集」が働いています。

 ミメロギアは「対比」と「連想」をたのしむゲーム。
 
 特徴を際立て要約することで、「対比」はより一層鮮かに。
 周辺に広がる余白において、読み手は連想で遊べます。

 同朋衆の選好の基準で「余白」が大事にされていることが
 多いのも、そこに遊びや自由が生まれるからでしょう。

 作品が講評の方法を呼び、講評の中で作品が光っていく。
 作品があっての講評ですし、講評によって新たな作品の魅力も
 発掘されていきます。

 作品を素材にして、同朋衆たちは講評でたっぷり遊んでいます。

 みなさんは、講評の中にどのくらい同朋衆の遊び心を見つけら
 れましたか? 「型」や「方法」のお宝を発見できましたか?

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29守の各教室から選出された「番線ボードレール[ミメロギア]
受賞作品」と「作品講評」、いかがでしたか?

イシス編集学校の基本コース[守]では、開講中、編集術
アワード「番線ボードレール」を、全教室一斉に開催して
います。

★ちなみに、

 28期[守]学衆さんの作品、
 「さずかる偶然・さずける必然」
 (黒帯アリス教室 大津淳さん)

 は、3/10に開催した、
 第34回の感門之盟(修了式)の
 テーマタイトルにもなりました。

2つの言葉のもつイメージの<アイダ>をみつめ、対のフレーズ
にすることで、イメージを自由自在に表現する編集術[ミメロギア]。
松岡正剛がつくった、こんな編集モジュール満載のプログラムを
みなさんも、学んでみませんか?

 

◎[守]基本コース・春講座は2013年4月15日開講
 只今、学衆募集中です。

【編光景】29守一斉稽古/番選ボードレール発表!-2

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 ★ 図書室・理科室 ★ 
             講評: 遠島啓介 師範  

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 *講評*
 理科室での実験がきっかけとなり、科学への興味、探究心はどん
 どんと増していく。そしていつしか世紀の大発見。論文となり、
 書籍となり、図書室に蔵書される。そんな、研究者の人生が浮か
 び上がってくるようです。
 
 そしてもっと俯瞰して捉えると、図書室のその本は、次の若き研
 究者が手に取り、そこからまた新たなスタートが切られる。科学
 の進歩は、そんな壮大なバトンリレーといったイメージも。

 

 

 

 

*講評*
 シーンと静まった空間。書棚のあいだを歩きながら、ふと心にひ
 っかかった一冊を手に取る。その表紙をめくれば、未知の世界が
 開かれる。
 目の前に広がる大海原。その先につながるは多様な文化。期待を
 胸に颯爽と出航。さあ、次はどんな世界だ? 
 多彩な世界を知ることができる図書室にピッタリの見立てです。

 ゴクリと唾を飲み込み、そーっとフラスコを傾ける。・・・。
 失敗は成功の母。ならばと次は違う方法を試す。そうしたプロセ
 スの先に、新たな世界は見つけられるのを待っている。
 水中では呼吸ができない私たち。それでも神経を研ぎ澄まし、深
 く潜っていくのは、隠された別世界を見たいから。こちらもピッ
 タリの見立てです。

 

 

*講評*
  図書室で出会う本たち、読書をすればその世界観に入り込んでい
 き、気づけば現実との境界もあやふやに・・・。
 
 理科室では、「もし〇〇が〇〇だったら・・・」。
 目の前にある現実から、探究心が次々と萌芽し、育っていきます。

 イマジネーションが広がっていく空間という共通の“地”から、
 その微妙な違いを捉え、丁寧に丁寧に読みかえていきました。

 

 

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 ★ モンロー・ヘップバーン ★ 
            講評:齋藤成憲 師範              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

*講評*
 隙にも凛にも目盛りがあります。隙は拡がりすぎるとしどけ
 なくなる。凛も、引き締めすぎるとしたたかに映る。ですが、
 隙があるから色々な数寄に巡り会えますし、凛があるから、
 律がみえてきて、調子を整えることもできます。世界のすき
 間を捉えながら、韻律を守って詠うのが俳句です。モンロー
 とヘップバーンの合間に、すかさず日本の目盛りを忍ばせた、
 新田さんのミメロギアに、銅賞を贈ります。

 

 

 

 

*講評*
 疾風に勁草を知るという故事があります。疾風怒涛のままに
 駆け抜けたモンローの生涯でしたが、それを追い風に出来る
 ほどの堅固な草だったのかもしれません。風薫るとはそんな
 勁草を肌で匂ってみる行為にも思えました。モンローにも、
 ヘップバーンにも、それぞれの緑、そして緑陰を感じます。

 

 

 

*講評*
 いつも最高の微笑みを届けて、数々の著名人と多くの観衆を虜
 にした、モンロー。女の姿として生まれたことを享受し、徹底
 して「女らしさ」を築いたモンロー。女神か!?という問いは、
 モンローが背負っていた「秘密」や「出来事」に由来している
 のかもしれません。!と?の間を行き来してるようにみせるの
 がモンローの魅力であり、モンローっぽさなのでしょう。
 天使といえば、神に仕え、神と人間とを仲介し、人間の守護に
 あたることもある霊的な存在。神と人間との間に立つエンジェ
 ルが、銀幕のヘップバーンに、人生の違った見方(アングル)
 を授けたのかもしれません。その後のヘップバーンが、ユニセ
 フ親善大使に就任して、内戦の続くソマリアやスーダンに訪問。
 最後まで安らぎと温もりを届けることに徹しました。天使だ!
 という答えに行き着いたのも、納得です。

 

 

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 ★ 歌舞伎・能 ★ 
            講評: 青木 穣 師範             

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 *講評*
 箪笥の奥に大切にしまわれた着物に移ったほのかに
 つんとくる懐かしいにほひは世阿弥の奥義を匂わせ、
 おめかしした服にあわせた流行のかをりは先駆的な
 勘三郎の香りがします。火にくべられた香木が解き
 放つかをりのように、読んだ瞬間、秘められた場面
 と歴史が立ち上がる芳しい作品です。

 

 

 

 

*講評*
 同じ空気中の水滴でありながら、片や太陽の光を反射
 して七色に輝く虹と、片や太陽の光も通さない薄暗く
 ぼんやりした霧。煌びやかな世界と幽玄の世界。カラ
 フルなストライプは歌舞伎舞台の定式幕のようでもあ
 り、野外の能舞台はしばしば霧に包まれる。託した一
 文字の自然現象は思いがけない対角線を結び、多重多
 層な景色が浮かび上がります。

 

 

 

 

 *講評*
 ご存知「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」
 とは世阿弥の言葉。端的に「秘花」と切り詰めた潔さ
 が能に通じます。一方、真の花ではない「あだばな」
 は、異端である傾奇者の象徴。普通は「徒花」と書く
 ところを、あえて「華」と言い表したのもお見事。

 

 

-3に続く

【編光景】29守一斉稽古/番選ボードレール発表!-1

イシス編集学校[守]基本コースには、「番選ボードレール」、

通称“番ボー”と呼ばれている期毎のイベントがあります。
 [守]の編集稽古の中から選ばれた1つのお題の回答を、
受講生が
作品としてエントリーし、
「番選ボードレール同朋衆(どうぼうしゅう)」
と呼ばれる師範陣が
“目利き” となって、作品を選りすぐって講評します。
[守]の番ボーのお題は、考え出すと止まらない「即答・ミメロギア」。

松岡正剛校長の創案による、名物エクササイズです。

「ミメロギア」は、イメージの<対比>と<連想>を組合わせた編集術。

29期[守]の番選ボードレールでも、
大勢の学衆(受講生のことを学衆と呼びます)のみなさんが
ミメロギアを遊びました。
お題ごとに投稿されたたくさんのエントリー作品の中から、

入賞作品と講評の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

 

 <入賞作品と講評のご紹介>
 

 -1  ●料亭・居酒屋
    ●サンタ・えびす
  
  ●かまくら・つらら

 -2
  ●図書室・理科室

    ●モンロー・ヘップバーン

    ●歌舞伎・能

 -3
  ●新聞・猫

    ●偶然・必然
   <解説>◯「ミメロギア考」

 

 

 

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 ★ 料亭・居酒屋 ★
                            講評:渡會眞澄 師範
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*講評*
 
 “に”と“で”という助詞の使い分けも効いています。料亭
 は特別で、居酒屋はどこにでもある場所。声にだして読むと、
 音の違いがアクセントにもなりますね。

 

 

 

 

 *講評*
 
 「細そ笑む」も「抱腹」も、もとはそれぞれの客から連想し
 たのでしょうか。「笑い」を地において、言葉を削いで、さ
 らに料亭と居酒屋を擬人化することで、パロディアたっぷり
 のミメロギアになりました。


 

 *講評*
 
 視覚でとらえることのできない香、カタチのない煙、どちら
 も消えゆく儚さをもちながら、見立てによって浮かび上がる
 情景は対をなし、読み手のなかで、ヨコにタテにどこまでも
 豊かに広がっていきます。薫香と煙火。本気の遊び心があっ
 たからこそ出逢えた言葉ですね。料亭と居酒屋のらしさを磨
 き上げた二語に託し、味わい深く仕立てました。

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 ★ サンタ・えびす ★
                            講評: 鈴木亮太 師範

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 *講評*
 
 Amazonと楽天。ここ十年で流通の仕組みをガラッとかえて
 しまった両雄です。もちろん洋のAmazon/サンタと和の楽天/
 えびすという対比もあるのですが、Amazonと楽天のビジネス
 モデルのちがいの見立てとしても興味深い。

 

 

 

 *講評*
 
 サンタさんの髭やら肉付きやら衣装の質感やらはもう
 「もふもふ」と言われてしまうとそれ以外に思いつきません。
 具体的に描写せずとも「もふもふ」だけで幸せを運ぶサンタ
 さんのらしさのすべてを包含してしまっているのです。
 えびす様の「ぽんぽこ」がまた秀逸。「たぬきかよ!」と
 突っ込みを入れたくもなりますが、たしかにたぬきっぽい
 ですよねぇ。福をばらまくえびす様のらしさをぎゅっと
 つかんでいるところが魅力的です。

 

*講評*
 
 大きな白い袋を肩にかけたサンタさんが無垢な子供たちに
 プレゼントを無事に届けて去っていくその後ろ姿。
 どっしりと低い重心で構えたえびす様、そのちょっとや
 そっとの力で押してもびくともしないような安定感。
 この二人の素敵なおじいさんが、わたしたちが求めている
 果報や僥倖を身体のどこで支えているのか、どこに蓄えて
 いるのか。石森さんはそこをしっかりとつかみとりました。

 

 

 

 *講評*

  「橇に乗っている人」「釣りをしている人」ではなく、
 ひらがなを使って「そりびと」「つりびと」と言葉を圧縮することで、
 意味やイメージをギュッギュッと凝縮しているのですね。
 「そりにのってやってきて贈り物をくれて・・・」
 と長々と説明するまでもなく、この「そりびと」と「つりびと」は
 物語を語ってくれているのです。

 

 

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★ かまくら・つらら ★
                            講評:土弘真史 師範        
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 *講評*
「木琴なかまくら」、これだけだと「なんのこと?」と戸
 惑ってしまいますが「鉄琴なつらら」と並ぶと……なるほ
 ど納得。「かまくらって木琴っぽい!」と思えてしまう。
 ミメロギアの方法の力を示してくださいました。

 五感のカーソルづかい、冬の風物から楽器へのジャンプの
 大きさ、切り口のソロイの美しさと、お稽古で身に着けた
 編集術を活かそうとする意気も光ります。かまくら・つら
 らのハーモニー、聞いてみたいです。冬奏でる銅賞を贈り
 ます。

 

 

 

 *講評*

 かまくらの要素は汗、つららの要素は時。「そんな見方が
 あったのか!」と一本取られた気分です。

 アイダに「結晶」という言葉を挟まれたのもうまかった。
 結晶いえば雪、塩、クリスタル……。その言葉にも、キラ
 キラ、サラサラと、そこはかとなく冬らしさが。私はあわ
 せて「不純物を除いてギュッと凝縮」というミメロギアら
 しさも感じました。冬結ぶ銀賞を贈ります。

 

 

 *講評*
 談笑は独りではできず。そこにはかならず複数の人が集ま
 り、会話がなされています。寒を避け、人が集うかまくら
 らしい光景は、「微笑のつらら」とつなげることで、キャ
 ラクターに変化。手品のようなミメロギアでした。

 性格美人のかまくらちゃん、クールビューティーのつらら
 ちゃん。厳しい寒さもなんだか楽しくなりますね。冬笑む
 金賞を贈ります。

 

(-2に続く

守役揃って守縁賑わい、イシス守流の感門之盟(速報版)

 12月16日(日)、五反田のDNPビル9Fで、第32回感門之盟が開催されました。
 7月スタートした28期[守]卒門式に140名のメンバーが参集、編集稽古17週間の修了を祝いました。
 今回の師範代は8名、全員再登板でベテラン師範も含む役者揃い。師範ロールのときは強面だった師範代たちも、守縁を紡いだ師範や学衆たちに囲まれて、満面笑顔の一日でした。


 

役者がズラリ。

 

 

◯守役紹介◯

写真は、はじめて師範代ロールを終えたときの<感門之盟>登壇写真。

 

 

姐さん新奇劇教室 奥山和栄師範代

 

 

合接前線教室 古野伸治師範代

 

 

木喰パイロン教室 山脇稔也師範代

 

 

沖ゆいコーザ教室 真武信一師範

 

 

キャラバン海豹教室 大沼友紀師範代

 

 

参読感読教室 大野哲子師範代

 

 

象限ドップラー教室 岡本 尚師範代

 

 

カラダ仮屋教室 渡辺恒久師範

 

 

◯『ISIS NEWS』ダウンロードできます。
 A3版 両面三つ折り(5.4M)です。

 

 

デザインは、感門団の江上聡明師範代(23期八転トート教室)です。

 

 

(コースウェア事業部)

【編光景】28守の一斉稽古・番選ボードレール発表!-3

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 ★ 携帯電話・自転車 ★ 
                  講評 :師範 木藤良沢 
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*講評*
 恋をめぐる三人の物語が浮かんで来ます。あるいは二人の物語なの
 かもしれません。男女ともかぎらないかもしれませんし、そこらは、
 「なみだ」の訳によるのでしょう。

 悲喜分けたように左右を対比し、見事ひとつの物語に結んでますね。
 二人つながってこその携帯電話、一人でも動く自転車、それぞれの
 違いを踏まえてなお情感溢れる比類ない対比。なみだをさそいます。

 

 

 

*講評*
 おじいさんとこどもの軸、携帯電話と自転車の軸を交差させた作品。
 にんまり笑みを誘う温かみある場面が立ち上がりました。それぞれ
 の機械と、それに向き合う人の絶妙な距離感の書き出しが見事です。

 携帯電話と自転車はあくまでメカとして扱い、対する人間の反応を
 巧く書いてそれぞれの「らしさ」を際立たせました。人間が入って
 機能するシステムの本質に迫ると同時に、人間自身も見えてきます。

 

 

 

*講評*
 声を届ける手段の移り変わり、移動する手段の広がりを感じさせる
 組み合せですね。通信・移動の手段の多様さを「地」にして、その
 上に、生き物からメカに至るまでの広がりが「図」になりました。

 二つの手段の歴史を交差させることで、一つの大きなメディア時空
 が立ち上がりました。限られた時空間ではありますが、その「図」
 から背景にある「地」の広がりへと想い馳せたくなります。

 

 

 

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 ★ 偶然・必然 ★ 
                  講評 :師範 景山和浩 
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*講評*
 もえさしの杭は火がつきやすし
 「やけぼっくい」とは そこから転じ
 過去に関係のあった男女は
 もとの関係に戻りやすいという

 察するに 雨宿りでたまたま再会した二人
 それをきっかけに再び心に火が付いた
 なんともドラマを立ち上がらせる作品なり

 「雨宿り」と「やけぼっくい」
  隠し味の水と火が
 対比を支える 奥深きことなり

 

 

 

*講評*
 「収穫」とは 食料だけでなく
 「種」を手に入れることなり
 ゆえに翌年の「芽吹く」必然へとつながるのだ
 「種」の発見は、人類にとって
 げに大きな一歩だったのかもしれず
 味わえば味わうほど壮大稀有
 「然」の文字にふさわしい作品なり。

 

 

 

*講評*
 画から飛び出さんと躍動する龍
 最後に書き入れる 一点ともいうべきは瞳
 龍を生かすも殺すも この点睛にかかっておる
 まさしく瞳は必然なり

 大と小のバランスも見事なら
 動と静の対比も妙である
 自由奔放 草書の風を漂わせながら
 楷書の風情も漂わす
 きりり しまった作品なり!

 

 


 

*講評*
 収まり良くリズミカル かつ
 どことのうコミカルなり。

 思いがけぬ幸運の「棚からぼた餅」
 専門家に委ねよの「餅は餅屋」
 偶然と必然を表す 二つのことわざミックスし
 「餅」を省いて きれいにつながった

 棚から降るのが偶然ならば
 必然にするのが編集なり
 この賞も偶然ならず 必然なり

 

 

 

 

 

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 総評 
                     :師範 小池和弘 
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 ◎ミメロギア考◎ 

 「即答・ミメロギア」というお題のタイトルが示す通り、
 ミメロギアには即興性と臨場性という性質があります。

 教室という場に回答が出た途端「おぉ、そうきたか」と
 驚いたり、「う~ん、深い」と唸ってみたり。
 みた瞬間にその場での相互評価が起り、善し悪しが分かる
 のがミメロギアです。

 別院に全エントリー作品がお披露目された時も同様でしたね。
 そしてまた講評の場でも驚きと唸りが起こりました。

 まず、パッとみて善し悪しがワカル「即妙」が先にあって、
 次に、まさに意を得たりのじわじわワカル「当意」がやって来る。
 当意即妙じゃなく、即妙・当意なのです。

 

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28守の各教室から選出された「番線ボードレール[ミメロギア]
受賞作品」と「作品講評」、いかがでしたか。

イシス編集学校の基本コース[守]では、開講中、編集術
アワード「番線ボードレール」を、全教室一斉に開催して
います。

2つの言葉のもつイメージの<アイダ>をみつめ、対のフレーズ
にすることで、イメージを自由自在に表現する編集術[ミメロギア]。
松岡正剛がつくった、こんな編集モジュール満載のプログラムを
みなさんも、学んでみませんか?

 

◎[守]基本コース・春講座は2013年4月15日開講します。

 

(イシス編集学校 学林局)

【編光景】28守の一斉稽古・番選ボードレール発表!-2

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 ★ モンロー・ヘップバーン ★ 
                  講評 :師範 土弘真史 
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*講評*
 数学との組み合わせにびっくり!グラマーな積分、ス
 キニーな微分。そんな見方があっただなんて。

 「すると」という接続の言葉は「何を」という目的語
 に目を向かせます。「微分する前・積分する前」にい
 るのは普通の女の子?「私だって大女優になれるかも
 !?」そんな「使用前・使用後」的な妄想を呼び起こ
 すところもユーモラス。
 
 「積分」と来た時点で、続く言葉「微分」が瞬時に引
 き出されたの。そのカウンターパンチの切れ味にもヤ
 ラレちゃった!

 

 

*講評*
 胸元を抉りのけぞらせ、逃げる球筋で泳がせる。二軸
 四方による究極の対比の魔球は打者を翻弄。配球の妙
 とあわせて見事ストライク!

 助詞“ホタルの飛びかた”を活かして対比の言葉の向
 きを強調し、ミメロギア全体に動きをもたせたところ
 も技ありだね。
 
 ショートパンツでマウンドに立つふたりの姿が目に浮
 かぶキュートな作には、強気な攻めにも“らしさ”が。

 

 

*講評*                            
 食材という“地”は意外だけど、クリームはとっても
 ふたり“らしく”てかわいらしい♪

 もったり・さっぱり、甘い・酸っぱい……、見た目、
 味、テクスチャーなど、五感に関わる情報を自然と引
 っ張り出してしまう身近な食材のチカラを活かしきり
 ました。

 韻を踏む語感、カタカナで揃えた表記の美しさも抜群。

 

 

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 ★ 新聞・猫 ★ 
                  講評 :師範 丸山 玄 
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*講評*
 私たちの社会の出来事が記事になるから存在する新聞。
 そんな世の中の出来事にはお構いなしで存在する猫。

 そんな社会と私の「境界」を語るシンボルに仕立て上げ、
 さらに「人語と人後」という韻を料理するあたり、ただ
 ものではありません。

 人間の感受性を言葉に落とした結晶である新聞は、人が
 100%作り上げた社会の「かがみ」です。

 人間の社会を生きる場に選びながら、一線を画し人に屈
 せず、自分の力で生きている猫の姿は生きざまを顧みる
 私自身の「かがみ」です。

 私自身の境界を見つめる二つのツールは、対外的な新聞
 と、対内的な猫の存在でバランスがとられていたとは。

 

 

*講評*
 猫を知り尽くしています。
 「顔」は政治家であり、スポーツ選手であり、犯人であ
 り、そして私。顔は写真の顔だけでなく、ニュースの顔
 と解釈できます。その顔の上に、何ふり構わずボヨンと
 大きなおなかを乗っけてしまうふてぶてしさ。
 これが猫のたまらん魅力なんですね。
 世の中のうんざりする政治、いやな事件、そして落ち込
 んだ私、すべてのものを覆い尽くす猫のおなか。
 それが「幸せの原点」かもしれません。

 

 

 *講評*
 戦後の農地改革で崩壊をたどるお屋敷の懐かしき光景が
 心に響きます。新聞を広げる旦那さまは奥の部屋、猫を
 抱きかかえるお義母さまは、明るいバルコニーでお茶を
 いただく。貴族としての誇りが今も生き続ける、そんな
 象徴としての力強さと悲しさが伝わる秀作です。

 

 

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 ★ デニム・ビロード ★ 
                  講評 :師範 小西明子 
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*講評*
 ぽかぽか陽気。ほっこりあたたまった洗濯したての服

 と太陽の匂い。出かける前のウキウキした気持ち。野原
 の光景と解放感…。

 しっとり重みのある空間での華やいだ雰囲気。そっと
 袖を通すドレスの肌触り。ぷぅん、と漂う香り。浮き立
 ちつつちょっぴり緊張している心…。

 俳句よりさらに1文字少ない16文字の世界から引き
 出される豊かなイメージが、五感のあちこちを刺激して、
 くるくる頭の中を巡ります。

 もはやそれが「たんぽぽ」のものなのか「デニム」の
 ものなのか、「ユリ」から生まれたものなのか「ビロー
 ド」から生まれたものなのか、区別することはできず、
 区別する必要すら感じさせない。

 生地の「らしさ」と花の「らしさ」が、これほど相性
 よく結びつくものだったとは!

 

 

*講評*
 こうやって示されると、誰もが当然のようにわかって
 いた、知っていたことなのに、言われるまではまったく
 気がついていなかったこと。

 穴を軸に、デニムとビロードに向かってひかれた対角
 線は、「当然」が反転して「意外」になったあと、また
 くるりと反転して「当然」の座に戻っていくような、そ
 んな「見方のとんぼ返り」を味あわせてくれます。

 そして、その「当然」と「意外」の間には、読み手そ
 れぞれの物語が萌してくるのです。

 にやりとさせる「おかしみ」もヨシ。

 

 

 

*講評*
 おそらく指南でもたびたび登場し、講評でもしつこく
 出てくる「ソロエる」ということ。

 ところがこの「ソロエ、ソロイ」は、何かをぴったり
 一致させることだけとは限らないから悩ましい。
 実は、何かを「ソロエ」たことによってはみ出してく
 る、その余分やズレのほうがミメロギアにとっては大事
 な命なのやもしれません。

 この作品は、「はれ」という音をソロエたことで、本
 来は「ケ」と共にあるはずの「ハレ」が、音以外にまっ
 たく共通点のないお天気の「晴れ」とあるズレをもって
 結びついてしまったこと、そのことこそが魅力なのだと
 いえるでしょう。

→3へつづく

【編光景】28守の一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕発表!-1

イシス編集学校[守]基本コースには、「番選ボードレール」、
通称“番ボー”と呼ばれている全校イベントがあります。

 [守]の編集稽古の中から選ばれた1つのお題の回答を作品
としてエントリーし、「番選ボードレール同朋衆(どうぼうしゅう)
と呼ばれる師範陣が “目利き” となって、作品を選りすぐ
って講評します。

[守]の番ボーのお題は、考え出すと止まらない「即答・ミメロギア」。
松岡正剛校長の創案による、名物エクササイズです。

「ミメロギア」とは、イメージの<対比>と<連想>を楽しむ
エディトリアルゲームです。

たとえば、

 ◎「うな重・天丼」をミメロギアしてみると・・・。
  人によって起こる連想はさまざまですが、
  二つを並べてみたときに、
  どんな「うな重・天丼」をイメージしますか?

      ↓

  味、食感、質感、見た目、食べ方、場所、雰囲気、似合う人、
  エピソードなどなど、
  うな重や天丼がもっているイメージを言葉にして
  ピッタリくることばやフレーズをいろいろと探していきます。

      ↓

  すると、こんな感じの回答がアップされてきます。

 

   「じゅわっとうな重・からっと天丼」
   「滋味のうな重・風味の天丼」
   「商談でうな重・団らんで天丼」

 

28期[守]の番選ボードレールでも、大勢の学衆(イシス編集学校
では受講生のことを学衆と呼びます)のみなさんがミメロギアを遊びました。
たくさんのエントリー作品の中から選ばれた入賞作品と
講評の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

 番線ボードレール・ミメロギア28守受賞作品 堂々発表です! 

 <入賞作品と講評のご紹介>
 1
  ●柿・栗 
  ●運動会・文化祭
  ●あやとり・しりとり
 2
  ●モンロー・ヘップバーン
  ●新聞・猫
  ●デニム・ビロード
 3
  ●携帯電話・自転車
  ●偶然・必然
  <解説>◯「ミメロギア考」

 

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 ★ 柿・栗 ★ 
                  講評 :師範 遠島啓介 
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*講評*
 にっこりと笑って差し出すおばあちゃんの顔。
 真剣な眼差しで、手際よく作るパティシエの姿。
 そしてそれを食べる人たちの喜びの笑顔。

 見た瞬間にぱっと世界が広がるというのは、
 まさにこういうことなのでしょう。
    
 おばあちゃん←→パティシエ、
 手仕事←→手わざ の対比も見事ながら、
 おばあちゃん→手仕事、
 パティシエ→手わざ という引き合い、
 柿・栗との距離感も素晴らしい。

 いつも心にある、あたたかい故郷、
 また食べたい洋菓子の名店、
 柿・栗を見るたびに思い出しそうです。

 

 


*講評*
 柿と栗があるステレオタイプ的なシーンを

 写真家の目でスパっと切り取り、
 フレームに収めました。

 両者の落ち着いたカラーを
 鮮やかに立ち上げた「朱墨」「赤銅」という言葉。

 それを探し当てたシソーラスの広がりも素晴らしければ、
 「青空」と「朽葉」という、
 最も映えるステージを設えた編集力があっぱれです。

  


*講評*
 柿と栗そのものから、

 連想は子どもの頃のお絵描きへタイムトラベル。

 水彩じゃなくて「絵の具」、パステルじゃなくて「クレヨン」。
 子どもが使う画材で地をつくった対比は、
 色合い、光沢、瑞々しさといった目に見えるものから、
 食感、味覚の対比も生み出していました。

 

 

 

 

 

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 ★ 運動会・文化祭 ★ 
                  講評 :師範 大澤靖永 
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*講評*
 日がくれるまで親友と何度も練習したスタートダッシュ。
 休み時間もクラスメイトと呼吸を合わせたバトンリレー。
 照れながら、それでも真剣に練習したフォークダンス。
 すべては、その一日の瞬間に全力を出し切るため。

 初めから望んでいるのではないでしょう。赤と白に分かれた
 運動会の場の力が、いつしか自分と仲間の境界を心地よく感
 じさせてくれます。そして、共に競う人のために自然と最高
 の結果を、“奇跡を”と願わせてくれます。

 見慣れた体育館や教室の壁が、カーテンやイラストで晴れの
 日に相応しく化粧されている。屋台の横では恋人同士が戯れ、
 ギターやトランペットのメロディが空気に遊ぶ。こうして、
 あなたと過ごした三年間、この時、この場に記憶されていく。
 
 イベントは日常に熱を入れてくれます。学校で堂々と楽しい
 企画を考え、みんなで協力し合って準備していく。日々の熱
 は本番で最高潮に達します。そんな、かけがえのない場で、
 ふとした瞬間気づきます。これは学生生活の“軌跡ね”…と。

 

 

*講評*
 モノのカタチ、明と暗などを平面に描画していくデッサン。
 絵画の下絵でもあるように、輪郭線そのものの強弱や太さに
 より表現されるエッジの効いた表現力は、人の能力や感情が
 ハッキリと表れる運動会の場にピッタリの見立て。
 
 目を引き付ける色彩の豊かさ、繊細重厚なタッチ、あるいは
 写真のような精巧な描写。それは時代を表し、時代を越えて
 人々を魅了する油絵の特色。学校・学園の伝統の地の上へと
 時分の花を咲かせる文化祭に、こちらもぴったりの見立て。

 微妙に重なり合う絵画の見立てを対峙させて、二つの場で起
 こっていることをシャープに、そしてワイドに取り出すこと
 に成功しました。なんとも言えない共感度の高さです。

 

 


*講評*
 トラックを囲んで、紅白に分かれた1年生から上級生までの

 顔、顔、顔。競り勝てば紅潮し、ミスをすれば蒼白になる。
 味方の応援に背を押され、真剣勝負が続いていく。
 
 一番の出し物はどこ!?一日限りの名女優、知る人ぞ知る噂
 の学内バンド、即席の手品師にB級グルメの絶品屋台など、
 徘徊してくる人を捕まえる呼び込みの声は、時間とともに熱
 を帯びてくる。

 運動会から紅白の連想は比較的容易ですが、対にして並べる
 色にはなかなか出会えません。そこにコンテストらしい金銀
 とは意表を突かれました。

 

 

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 ★ あやとり・しりとり ★ 
                  講評 :師範 鈴木亮太 
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*講評*
 子供の遊びは大人までも。老いを迎えるに従い童心を得る
 と聞きますが、端然としたおばあちゃんが、達者にみえる
 おじいちゃんが、かわいい孫を膝に抱いて、若かりし頃の
 手際手並を披露しているところがすっと目に浮かびます。
 ただ、そこには、昔は必要なかったものが、控えめに添え
 られているのですね。

 衰えた五感を研ぎ澄ますためになにかの助けを借りなけ
 ればいけないとしても、遊びの天空に羽搏くつばさは、
 力強く広げられたままなのでしょう。こんなふうに歳を
 取りたい。そんな気持ちにすらなってきます。

 


*講評*
 日本語はオノマトペの宝庫なのだ、と再認識。おなじ
 「う」段の「む」と「ふ」の組み合わせだけで「あや
 とり・しりとり」に表情をつけてみせました。
 「むふふと●●するあやとり」のように余分な説明を
 付け過ぎず、シンプルな表現にまで削ぎ落している
 ところも技ありです。

 手を寄せ合ってひもを取り交わす姿。相手の繰り出した
 言葉にしばし沈思黙考する姿。あやとりとしりとりの
 魅力を、そのまま“ぐりっ”ととりだしました。
 アソビの表面的な姿と、わたしたちがそのアソビに
 求める本質的なよりどころ。そのアイダの架け橋が、
 ここに取り出された独白に示されているのでしょう。

 


*講評*
 「あやとり・しりとり」は単純な遊びですが、その真髄
 を極めるのは容易ではありません。この世界には見立て
 の対象も連ねる言葉も無限にあるのですから。それでも、
 この人に操れないあやはなく、あの人に綴れないしりは
 ない、などと思ってしまうもの。そんな達人の在り様を
 モノのイデアに向かってするっとズラしてみせた作品です。

 玉手箱は浦島太郎で有名ですが、慣用句にあるのは「開け
 てびっくり玉手箱」。あやとりの紐を巧みに操り、見立て
 直した姿に周囲を驚嘆させる、というのが“あやとりすと”
 のまさに本懐。そして、言葉の引出しが多ければ多いほど
 “しりとりすと”はこの遊びを満喫することができるの
 でしょう。

 

→その2へ

【編光景】27守の一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕発表!-その1

イシス編集学校[守]基本コースには、「番選ボードレール」、
通称“番ボー”と呼ばれている全校イベントがあります。

 [守]の編集稽古の中から選ばれた1つのお題の回答を作品
としてエントリーし、「番選ボードレール同朋衆」と呼ばれる
師範陣が “目利き” となって、作品を選りすぐって講評します。

 今回の27期[守]で行なわれた番ボーのお題は「ミメロギア」。
松岡正剛校長の創案による、[守]コースの名物エクササイズ
です。

 「ミメロギア」とは、イメージの対比と連想を楽しむ
エディトリアルゲーム。

たとえば、

 ◎「スイカ・メロン」をミメロギアしてみると・・・。
  どんな視点から「スイカ・メロン」をイメージしますか?

      ↓

  味、形、食べ方、似合う人、ゆかりの場所、持ち運び方など、
  スイカとメロンがもっているイメージを連想して、
  ピッタリくることばやフレーズをいろいろと探していきます。

      ↓

  すると、こんな感じの回答がアップされてきます。

   「かぶりつくスイカ・スプーンでメロン」
   「おやじさんのスイカ・奥様のメロン」
   「縁側のスイカ・病室のメロン」
   「田舎のスイカ・都会のメロン」

 27期[守]の番選ボードレールでも、
大勢の学衆(イシス編集学校では受講生のことを学衆と呼びます)の
みなさんがミメロギアを遊びました。

 ではさっそく、たくさんのエントリー作品の中から選ばれた入賞作品
と講評の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

 

 

 <入賞作品と講評のご紹介>
  ●蛍・蝉 
  ●図書室・理科室
  ●モンロー・ヘップバーン
  ●声・影 
  ●朝顔・北極星
 
 <解説>
  ◯「ミメロギア考」
  ◯「番選ボードレールとは?」

 

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 ★ 蛍・蝉 ★ 

                         講評 :師範 青木 穣 
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 *講評*
  真っ暗な鍾乳洞の中でうっすらと燐光を放つ鍾乳石
 と、格納容器の中で太陽さながらのエネルギーを放
 つ原子炉。見立ての中でも最大級のスケールです。

 静寂と騒音、冷光と灼熱、暗と明、自然と人工、恒
 久と一瞬、化学反応と核反応、光とエネルギーなど
 複雑で重層的な対比に加え、鍾乳洞と格納容器、鍾
 乳石と反応棒など、思いもよらない要素の類似性も
 見えてくるから不思議です。

 

 

 *講評*
 節子の亡骸のまわりに飛ぶ蛍。ご存知、野坂昭如の
 『火垂るの墓』の一場面です。「反戦」と「蛍」を
 組み合わせることで、未だに絶えない戦争のはかな
 さや犠牲者の霊にまで「蛍」のイメージが広がって
 いきます。

 一方「反戦」に合わせた言葉は「終戦」。無条件降
 伏の知らせが、国民に届けられたあの年の8月15日に
 も蝉が鳴いていたのでしょうか。ラジオから流れる
 声や国民の声なき声などが、蝉の鳴き声に象徴され
 るかのようです。

 

 

 *講評*
 川辺に光る灯篭流し、林の中の神社から聞こえる祭
 囃子。基本となる光と音、静と動、川と林などの対
 比の他にも、亡き魂への思いや祭りの陽気な喧騒な
 ど、さまざまなイメージが去来します。全92作品の
 中でも特に重層的な作品で、まるで映画の一シーン
 を見ているかのよう。「ながし」「はやし」と音の
 対比もよく効いています。

その2へ続く

 

【編光景】27守の一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕発表!ーその2

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 ★ 図書室・理科室 ★ 

                         講評 :師範 福澤美穂子 
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 持ち込んだアニメ映画の絵やストーリーや音楽と、
 そのアニメを見たときの私の記憶や情景や気持ちと、
 多くのものが立ち上がってくるミメロギア。
 
 一方で、図書室の本棚からは、知のヒソヒソ声が聞こえ、
 理科室の実験台からは、自然の法則へあくことなく挑戦
 したこれまでの人間の姿勢が見えてくる。

 科学史は、人類が世界をどのように解明していったかの
 歴史でもあり、その奮闘は書物に大事に書き綴られる。
 今では忘れられた科学者や実験も、図書室の書物の中に、
 ひっそりと当時の輝かしい姿を留めている。

    

 モノクロの文字に、きらめく光。下降と上昇の対流。

 文字の歴史は、降り積もって重たく本へと沈み、
 人間の好奇心は、光となって実験で発露する。

 過去からの英知と未来への希望が渦になって、
 あかるく静かに相響く。
 記憶の彼方に埋もれそうな薄明るい2つの部屋に、
 文字と光が乱舞する。
 
 そうそう、図書室・理科室ってこんな場所だった。
 新しいのにノスタルジー。

   

 あっぱれ、語らずして語る。

 シンプルゆえに、インパクトは大きい。
 らしさが際立ち、見た目で引き付けられる。

 声に出してみると、抑揚をつけたいろんな読み方ができる。
 「・・・」と「!!!」のアイダで何往復も楽しめる。

 

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 ★ モンロー・ヘップバーン ★ 

                        講評 :師範 木藤良沢 
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  二人の「マリア」と二人の女優との比類ない対比関係。
 名作の域でしょう。お二人が演じるマリアを想像させる
 に相応しく、また同時に各々「女優」としての姿が際立
 ちます。メディアを通して映画から伝わってくるお二人
 の「らしさ」が、一方で語り分けられてきたマリアのそ
 れと同調・共鳴し、観る者のイメージに波紋を投げかけ
 ます。二人のあいだには波紋の双曲線が美しく影を落と
 して揺らめきました。

  

 「手」で近づけながらも、先を読ませて二人を分け切る
 センスがまばゆい作品。「添」手が静かに瞬時に思いや
 りを伝えるヘップバーン。いっぽう「掛」手の人は誰な
 のか…彼女を女優モンローに育てた人々か、はたまた努
 力を重ねた彼女自身か…長きにわたる「手数」と「想い」
 が伝わってきます。「手」を介してお二人の周囲も見え
 てくる絶妙な対比。

  

 モンローと隣合って車に乗ってる誰か、ヘップバーンと
 二人乗りのバイクの誰かのことも気になりますが、それ
 は両女優のしぐさがそこにないものを想わせるから。「
 シート」で乗り物と女優と誰かを繋いで、「らしさ」を
 見事に書き分け重ねました。

 その3へ続く

【編光景】27守の一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕発表!ーその3

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 ★ 声・影 ★ 

                         講評 :師範 鈴木亮太 
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 スタスタと先に歩いてしまう気が利かない彼に、
 ちょっと待って、と声をかけてみる。
 そして影を踏んで彼の動きを止めてみる。
 “こんな日々がずっと続いていて欲しい”と思う。

 

 

 新しいいのちが授かって、それを母として初めて実感する。
 聞こえているのかいないのか、わからないけれど、
 呼びかけてみると反応している・・・。
 その瞬間からママは、そしてそれを見守るパパも守護者なのですね。

 

 

 いとしい人に逢う。
 その逢瀬の刻は一瞬の出来事ですが、
 その場に向かうときには、他人の会話にも幻声を聞き、
 その場を後にしても、触れ合っていた袖に幻影を見る。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★ 朝顔・北極星 ★ 

                          講評 :師範 岡村豊彦 
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 古くは万葉集。そして古代ギリシャの詩人たち。心動かされたも
 のを歌に、詩に詠む思いは現代の我々にも受け継がれています。
 富田さんの作品には歴史の流れ、その果てしない広がりを感じま
 した。

 何千年、何百年と人々は美しい花や夜空の星を言葉にしてきたの
 です。ミメロギアもまた、その新しい表現の仕方なのかもしれま
 せんね。

 

 

 

 

 「薬指に光る小さな北極星」
 このフレーズ、今回最もイメージ喚起力が強かったです。導くも
 のでもあり、最果てでもあり。この指輪をしている人の過去・現
 在・未来を知りたくなりました。

 でも、ミメロギアとしてはもう少し言葉をコンパクトに凝縮した
 かったですね。「両手で作る大きな朝顔」との関係性も少し曖昧。
 見え隠れした場面設定、もっと自信をもって前面に打ち出しまし
 ょう。

        

 

 

 小川でしょうか。水辺に咲く一輪の朝顔。夜。その水面には北極
 星がさらさらと揺らいでいる。

 一枚の絵にしたとき、今回最も美しいイメージを感じました。凛
 とした静けさもあります。

 何よりもこの「映ったもの」という捉え方が秀逸でした。夜空に
 あって永遠に動かないもの、動かせないものではないんですね。

 
 →次へ

【編光景】番選ボードレール 〔編集術コラム〕


 

27守の各教室から選出された「番選ボードレール[ミメロギア]受賞作品」と「作品講評」を、3回に分けてお届けしました。いかがでしたか?

最後に、コラムをお届けします。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎ミメロギア考                    

                      師範 濱口由貴
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二つの言葉を、よくよく眺めて観察する。

「お題」の第一印象はいかがでしたか。その組み合わせからどんなイメージ
が思い浮かびましたか?

「図書室・理科室」というちょっと懐かしい組み合わせもあれば、「声・影」
なんて少しミステリアスなものも。そうそう、「モンロー・ヘップバーン」
は調べないと判らない!という方もいらっしゃったかもしれませんね。

ともかく対象を知らないことには編集は始まらない。まずは二つの言葉を、
よくよく眺めて比べてみます。どうですか?明らかに対照的な点もあれば、
なんとなく感じる共通点もありますね。

様々なフィルターを駆使して、これらをよく観察しておくことが大切です。
意味の「対比」はミメロギアで生まれるイメージの「図」の、共通する「ら
しさ」はイメージの「地」の材料となります。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◎番選ボードレールとは?                    

                    番匠 白木賢太郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『番選』とは、全部で38番ある編集稽古の中から、
これぞという番稽古を選び出したことに由来します。

そこにさらに重ねられている『ボードレール』とは、
詩集『悪の華』で知られるフランスの詩人、
シャルル・ピエール・ボードレールのことです。

詩人としてよく知られていますが、
ヨーロッパで最初に美術批評をした人ともいわれています。

ここから松岡校長が『番選ボードレール』と命名しました。
語感もよいですし、『番ボー』と略すと不明さがカワイイし、
なかなか豊かなイメージがありますよね。

  ☆。

では、ボードレールとはいったいどういう人だったのか。
あまりご存じない方は、これを機に、
ぜひ千夜千冊を読んでいただければと思います。

第773夜『悪の華』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/ssenya0773.html

この「高踏批評力をもつ詩人」を読み解くキーワードは、
「コレスポンダンス」です。

千夜千冊にこうあります。

  コレスポンダンス。
   この一語にはボードレールの想像力のすべてが対応している
  というべきだ。1859年、ボードレールは想像力が森羅万象を
  解体し、その素材によって新たな世界像を言葉によってコレス
  ポンダンスに現出しうることを決定的に確信したものだ。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ちなみにボードレールの『悪の華』には、
こんな一節があります。

   夜のごと、光のごとく、底ひなき、
   暗くも深き冥合の奥所なる、
   聲長き遠つ木魂の、とけ合ふとさながらに、
   匂ひと、色と、ものの音と、相呼び合ふよ
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コレスポンダンスとは「照応、呼応、調和」、万物照応。

音と色と匂いが関係しあい、
お互いを照応させるイメージの世界が広がります。

   ボードレールの照応は、自然の中での照応ではない。方法の
  中での照応である。合理的なものじゃない。言葉の化学反応の
  中での照応だ。とくに事物どうしが時間の中で照応しあうこと
  に、ボードレールは自分のいっさいの想像力を浪費した。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ☆。

呆れるほど単純なお題なのに、
いい大人が、こんなに夢中になれる。
ふしぎなものですね。

きっとことばの世界を存分に引き出してくれる、
そういう力を持つお題だからでしょう。


 

                          * * *

イシス編集学校の基本コース[守]では、開講中、編集術アワード「番選ボードレール」を、全教室一斉に開催しています。

2つの言葉のもつイメージの<アイダ>をみつめ、対のフレーズにすることで、イメージを自由自在に表現する編集術[ミメロギア]。松岡正剛がつくった、こんな編集モジュール満載のプログラムをみなさんも、学んでみませんか?

(イシス編集学校 学林局)

【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品 Part3

 

 3回にわたってお届けしてきた26守の番線ボードレール入賞作品。
 本日が最終日です。どうぞご覧下さい。
 また、最後に師範による「ミメロギア考」もぜひお読みください。
 
 番線ボードレール・ミメロギア26守受賞作品 Part3 

 
 ◎ミメロギアのお題
  「声・影」
     —-講評:白木賢太郎(イシス編集学校 番匠)
  「携帯電話・自転車」
—-講評:渡辺彰衡(イシス編集学校 師範)
  「偶然・必然」
   —-講評:田中里実(イシス編集学校 師範)
 

<入賞作品のご紹介>

●声・影
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★★★ 金賞 ★★★ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ターザンの声
 グローバリズムの影

 

 

 (シモキタ飛龍教室・野村英司さん)

 

 ターザンにグローバリズムなんてよく見つけてきまし
 たよ。でもそう言われると、声らしさはターザンです
 し、影らしさはグローバリズム。それ以外には考えら
 れないほど良く似合っています。さらに、文明にも自
 然にも背く映画の中の一個の人間と、すべてを呑み込
 み一色に染め上げる現実の現代社会の、地球人類史規
 模での壮大な対比がある。

 (師範 白木賢太郎)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★★ 銀賞 ★★              
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 祈りの声
   キャンドルの影

 

 

 (交感交番教室・三輪陽子さん)

 

 最初に拝見したときは、2011年を表象した、落ち
 着いた作品だという印象でしたが、見るたびに深み
 を感じました。声ならぬ祈りの声に、キャンドルが仄
 めかす実在の影。伏せている側を揃えることで、声と
 影の意味を伝えている作品なのだろうか、祈りの声が、
 ゆらめく影の静けさを強調しており、この対比こそが
 声の本来と影の本質なのだろうか、などと、作品を拝
 見しながら、いろんな連想を楽しんでいました。

 (師範 白木賢太郎)

 

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 ★ 銅賞 ★              
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 校庭の声
    青春の影

 

 

(発走バージェス教室・後安利哉さん)

 

 繰り返し見ていくうちに気になって、選外から入選、
 入賞と出世魚です。校庭と青春ってレイヤーがずれて
 いて仕上がりが悪い。しかも「校庭の声」が平凡。な
 のですが、「青春の影」の表現に広がりを感じて、ふ
 たたび「校庭の声」を見ると、なんだか今やすっかり
 と忘れ去った純粋な心が浮かびあがってきて、どこか
 しら切なさが募ってきます。ポケットに忍ばせておき
 たい名作です。

 (師範 白木賢太郎)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 笑い声・嗤う影

 

 

(れんれん探源教室・小坂優さん)

 

 技あり。漢字に感度良く向かったという意味では最高
 傑作です。よく「嗤」を見つけてきました。そして「
 嗤う影」と「う」を添えた。この仕上げが見事。この
 細部の仕上げが効いて、「笑い声」という平凡なフレ
 ーズがかえって精気を帯びて、笑い声の屈託のない響
 きと、嗤う影の陰湿な表情の対比が、きれいに浮かび
 あがります。編集で大切にしたい、発見的な遊び心が
 凝縮された名作です。

 (師範 白木賢太郎)

 

 

●携帯電話・自転車
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 ★★★ 金賞 ★★★ 
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 ロミオに携帯電話
 メロスに自転車

 

 

 (カシマシ夢路教室・森勇貴さん)

 

 ロミオの時代に携帯電話はないけども、そして、メロスの時代
 にやっぱり自転車はないけども、どちらもなんだか納得しちゃ
 います。もしもロミオがジュリエットと携帯電話で話していたら、
 もしもメロスが自転車に乗ることができたら! そう思うだけで、
 いろいろなことを想像して楽しくなっちゃいます。納得してしま
 う「らしさ」の捉えかたに拍手を贈りたいと思います。

 (師範 渡辺彰衡)

 

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 ★★ 銀賞 ★★              
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 親に教える携帯電話
      親に教わる自転車

 

 

 (陽炎ストライプ教室・今井千賀さん)

 

 親に携帯電話を教えたことがある方は多いかもしれませんね。
 携帯電話をもたもたと取り扱う親に、「こんなに簡単なのに!」
 と思いながらも、「こうやるんだよ」と教えるシーンが目に
 浮かびます。一方で、小さい頃に教わった自転車は親に教えて
 もらった人も多いでしょう。そこには、子供の成長を見守る
 温かいまなざしがあります。親と子供の関係って、ツールに
 よって入れ替わるんですね。

 (師範 渡辺彰衡)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 ストーカーと携帯電話
 スカートと自転車

 

 

 (麻色レンジャー教室・山口佳織さん)

 

 しつこく付きまとうストーカー。被害者にとって携帯電話は
 恐怖そのものでしょう。一方、スカートと自転車は、なにか
 清々しく、ときめくものを感じます。そういう意味では、陰
 湿さと清々しさの対比でもあるんですね。

 (師範 渡辺彰衡)

 

 

●偶然・必然
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 ★★★ 金賞 ★★★ 
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 仕掛ける偶然
     呼び込む必然

 

 

 (カシマシ夢路教室・松本江里子さん)

 

 「然」の字は「犬の肉を焼く意で、天を祀る祭儀などに用
 いた」(『字通』より)と。雨乞いの後の雨は必然に見える
 でしょう。たまたま行きあった出来事も、誰かが(もしかし
 たら自分が)準備していたことかもしれません。偶然も必然
 もグレーゾーンだらけ。ならば、と、偶然はもう火蓋を切る
 だけに「仕掛ける」、必然はなにか特別なきっかけを作って
 「呼び込む」。そう決めた人間臭い組み合わせ、その覚悟が
 尊くひびく、響作です。

 (師範 田中里実)

 

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 ★★ 銀賞 ★★              
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 染めの偶然
 織りの必然

 

 

 (麻色レンジャー教室・樺澤貴子さん)

 

 染めはその時々、温度や時間のたまたまが滑り込む。織り
 は縦横に糸や意図を張り巡らせ、統御されつつ進む。作り
 手の感触や、できあがりの感動をぎゅっと詰めた「染め」と
 「織り」。そうやって産み出す色や文様は「呪」の化身。
 だからこの糸や布は、また新しい偶然と必然を連れてくるに
 ちがいない。五感の感覚から「然」の連鎖にまで広がる妙作。

 (師範 田中里実)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 まばたきは偶然
 めくばせは必然

 

 

 (なゆた双眼教室・宮島祐子さん)

 

 「まばたき」も「めくばせ」も、一瞬のまぶたの動き。
 それなのに、瞳に意志が宿るかどうかで、伝わるものが
 まったく違う。この微妙な違いで、偶然・必然の近さと
 遠さのあわいに光をあてて魅せた輝作。「は」で「まば
 たき」と「めくばせ」の多様な場面を引き出してもいますね。

 (師範 田中里実)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 顔立ちは偶然・顔付きは必然

 

 

 (五色玄海教室・星野美桜さん)

 

 「顔立ち」と「顔つき」は、絶対に入れ替えの不可能な
 対比。偶然と必然の境目をこれほどくっきりと立ち上げる
 対はないでしょう。「顔付き」と「必然」にはことわざの
 ような教訓さえ感じます。言葉の揃いも、文字遣いもこれ
 以上ない、と、ため息をついてしまう宝作です。
 
 (師範 田中里実)

 

 

◎ミメロギア考◎ 
ミメロギアは読者を共同作者とする

 

                     師範 森 由佳

寺田寅彦の『俳諧の本質的概論』に「俳諧は読者を共同作者と
する」という一文があります。
書き手のメッセージと読み手のイメージが合わせ重なることで、
俳諧は完成するのでしょうし、またミメロギアも完成します。
であるならば、そのメッセージには読み手が遊べる「余白」が
たっぷりあったほうがいい。

「俳諧はその物その事をあまりいわずただ傍らをつまみあげて
その響きをもって人の心をさそう」これも寅彦の言葉です。

「あやとり」と「しりとり」、「粉雪」と「かき氷」の間に結
ばれた弦はどんな響きを奏でてくれたでしょうか。

同朋衆の講評は、もう一人の奏者でもあります。
ぜひ、じっくりとその音色に耳をすませてみてくださいね。

 

 

【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part1
【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part2

さて、26守の各教室から、選出された「番線ボードレール[ミメロギア]受賞作品」と「作品講評」、いかがでしたか?

イシス編集学校の基本コース[守]では、開講中、編集術アワード「番線ボードレール」を、全教室一斉に開催しています。ヨーロッパではじめて美術や文芸批評を興したフランスの詩人・ボードレールにちなんで名づけられました。

2つの言葉のもつイメージの<アイダ>をみつめ、対のフレーズにすることで、
イメージを自由自在に表現する編集術[ミメロギア]。

松岡正剛がつくった、こんな編集モジュール満載のプログラムをみなさんも、学んでみませんか?

(イシス編集学校 学林局)

 

【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品 Part2


 

   たくさんのエントリー作品の中から選ばれた、珠玉の入賞作品と
 講評の一部を、3回に分けてご紹介しています。
 昨日に続き、どうぞご覧ください。

 

 番線ボードレール・ミメロギア26守受賞作品   Part2 

 

 

 ◎ミメロギアのお題

  「粉雪・かき氷」
     —-講評:渡辺恒久(イシス編集学校 番匠)
  「モンロー・ヘップバーン」
     —-講評:畠山尚子(イシス編集学校 師範)

 

<入賞作品のご紹介>

●粉雪・かき氷
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 ★★★ 金賞 ★★★ 
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 無声映画の粉雪
 工事現場のかき氷

 

 

  (五色玄海教室・山田千恵子さん)

 

 しとやかに舞いながら、この世の騒々しさを
 すべて覆い尽くす沈黙の神秘。
 粉雪の降るさまは、まさにサイレントムービー。
    
 キーン、ガリガリ。わいわい、がやがや。
 かき氷のあるところ、
 愉快な工事現場のカコフォニー。

 無声映画と工事現場は、それだけでは、
 対比として成り立つはずもないのに、
 お題の言葉と組み合わさって、
 完璧なまでに拮抗しています。

 (番匠 渡辺恒久)

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 ★★ 銀賞 ★★ 
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 三千世界の粉雪
    須弥山のかき氷

 

 

 (星目ポリフォニー教室・武田英一さん)

 
 寒空の奥向こう。
 どこからともなく舞い降りてくる粉雪は、
 三千世界の幻想そのもの。

 子供の頃、
 器にたっぷり盛られたかき氷は、
 いくら探検しつくしても飽きることのない、
 喜び悦びの須弥山でした。

 かくも美しき、”粉雪・かき氷”。
  
 (番匠 渡辺恒久)

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 ★ 銅賞 ★ 
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コートの襟に粉雪
   ビキニのひもにかき氷

 

 

(発走バージェス教室・増井直美さん)

 

 果てしない天空から、首もとに。
 艶めかしい脚の付け根を経て、
 唇まで想像させてしまう、この誘導力。

 

 主人公は、どんな女性なのか。
 この光景を捉えたのは、誰なのか。
 注意のカーソルが激しく動き回り、
 イメージがあちこち躍動します。
   
 (番匠 渡辺恒久)

 

●モンロー・ヘップバーン━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★★★ 金賞 ★★★ 
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  蒔絵のモンロー 
 墨絵のヘップバーン

 

 

 (交感交番教室・三輪陽子さん)

 

 モンローの演技が金や銀の図柄だとすれば、地とな
 る黒は第二次世界大戦直後の時代や、彼女の生い立
 ち。図柄のほうに気が行ってしまいがちですが、背
 景あっての図。
 一方の墨絵。金や銀の美しさは言わずもがな。しか
 し、墨絵の美しさが発見され理解が広まるには、時
 間がかかったことでしょう。ヘップバーンは現代の
 モデル体型。しかし、彼女がデビューした時代のハ
 リウッドはグラマーの全盛。当時の美の基準には何
 一つ当てはまるものがなかったといいます。そこに
 ヘップバーンが現れたことで、美の基準が変化した
 のです。今まで美しいと思わなかったものに、周囲
 が美しさを感じるようになったのは、墨絵に通じま
 すね。

 (師範 畠山尚子)

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 ★★ 銀賞 ★★ 
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 キスのモンロー
   ハグのヘップバーン 

 

 

 (麻色レンジャー教室・山口 佳織さん)

 

 キスとハグ、愛撫、愛情表現でのこの対。地を男女の関係
 だけにとどめると、ハグのヘップバーンはキスのモンロー
 の付け足しのように感じてしまいますが、ここではそうで
 はないようです。
 キスは唇が印象的なモンローの艶かしい姿。対するハグは、
 ヘップバーンが晩年にユニセフの親善大使として幼い子供
 たちの命を救うために活動した姿を重ねあわせたのですね。

    
 (師範 畠山尚子)

 

 

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 ★ 銅賞 ★ 
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 ポタージュなモンロー
 コンソメなヘップバーン

 

 

  (草莽捲局教室・中村美恵子さん)

 

 

 

 食べ物と重ねあわせた作品が多く見られたのは、映画も
 食事も栄養にも、楽しみにもなるからでしょうか。
 その中で、中村さんの作品はバランスがいいですね。
 好みはあっても甲乙つけがたく、一度の食事で両方を食
 べることがない、ポタージュとコンソメのスープ。
 スーパースターへの配慮が感じられました。
 ポタージュは身をすりつぶしとろみのある状態に、コン
 ソメはじっくり旨みを引き出して澄んだスープに仕上げ
 ます。

 (師範 畠山尚子)

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 ★ 銅賞 ★ 
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  土偶のモンロー
         埴輪のヘップバーン 

 

 

 (シモキタ飛龍教室・野村英司さん)

 

 

 ふたりのプロポーションのらしさを求めて、ずいぶんと
 時代を遡った作品です。それだけで終わらないのがこの
 作品の奥深さ。土偶と埴輪の違いを探ってみると、形状
 以外の結び目も見えてきます。
 
 例えば、土偶は女性像、埴輪は動物、人物、家、器財と
 様々なものがあります。モンローは豊満な体でセクシー
 な役を下品に感じさせずに演じ、ハリウッドがグラマー
 全盛の時代に痩せたヘップバーンは様々役柄を演じてい
 たことにも繋がります。

 (師範 畠山尚子)

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 ★ 銅賞 ★ 
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 芍薬モンロー
     百合ヘップバーン

 

 

 (星目ポリフォニー教室・小池リリ子さん)

 

 花を愛でるのも、女優に憧れや好感を抱くのも似ていると
 ころがありますね。花と女優を重ねあわせたこの作品、
 見た目にはモンローやヘップバーンのファッションに、
 美しさの雰囲気にピッタリです。
 
 薔薇でもコスモスでもない、このふたつの花をとりだした
 のはさすが。美人の姿や振る舞いを形容する言葉として知
 られている「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」。
 これは、花をどこから鑑賞すれば美しく見えるかを伝える
 ものでもあります。

 (師範 畠山尚子)

 

【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part1
【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part3

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(イシス編集学校 学林局)

【編光景】26守一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕ー入賞作品Part1

 

 

番線ボードレール・ミメロギア26守受賞作品   Part1 

 

◎ミメロギアのお題

  「料亭・居酒屋」
   —-講評:小池和弘(イシス編集学校 師範)
  「あやとり・しりとり」 
   —-講評:鈴木康代(イシス編集学校 師範)
  「下駄・草履」       
   —-講評:大澤靖永(イシス編集学校 番匠)  

 

 

<入賞作品のご紹介>

「料亭・居酒屋」
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 ★★★ 金賞 ★★★
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 三代目の料亭
 3丁目の居酒屋


 
  (シモキタ飛龍教室・野村英司さん)

 

 

 料亭は何代も続いているイメージが強いので、例えば
 七代目と7丁目としてもいいのですが、そうすると
 とたんにバランスが悪くなって、漸く孫の代になった
 初々しくも格式ある料亭と、日本の何処にでもありそう
 な3丁目の夕日的な居酒屋との対比が崩れてしまう。
 三と3にはそんな絶妙さがあります。

 代目という時間の軸と、丁目という空間の軸。この間
 の対角線の引き方が抜群にうまく、三と3の表記が
 これしかないと思わせます。
 (師範 小池和弘)

 

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 ★★ 銀賞 ★★              
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 企みの料亭・和みの居酒屋

 

   (交感交番教室・青木崇行さん)

 

 

 料亭のイメージは、格式張って閉鎖的な非日常空間。
 そこで交わされる密やかな会話は何やら陰謀の匂いが
 します。このイメージはどうもTV や映画で刷り込ま
 れたステレオタイプイメージのようです。

 このイメージをそのまま展げた作品は沢山ありました
 が、対する居酒屋のイメージに何を持ってくるかが
 なかなか難しく、どうしてもバランス的に料亭が
 勝ってしまいます。

 青木さんは「和み」というムダを削ぎ落した言葉を
 さりげなく持ってきました。「和ぐ」は「凪ぐ」と
 同義で、心穏やかになることです。
 騒がしいだけの居酒屋のイメージからはなかなか出て
 こない言葉で居酒屋の本来を引き出しました。
 (師範 小池和弘)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 離れの料亭
 相席の居酒屋

 

 (カシマシ夢路教室・丸 洋子さん)

 

 

 離れを建築構造物としてみれば、相席との対比は
 アンバランスですが、この作品の離れには料亭の
 「空間貸しサービス」というアーキタイプが働いて
 いるとみることができます。お客に個別の空間を
 提供する料亭に「相席」はあり得ませんね。

 一方元々量り売りの酒屋に居続けてお酒を飲むサー
 ビスがアーキタイプの居酒屋では、安くお酒が飲め
 れば「相席」でいい。離れなんて必要ありません。
 アーキタイプでみれば「離れ」と「相席」は対極的
 な対比になっています。
 (師範 小池和弘)

 

 

「あやとり・しりとり」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★★★ 金賞 ★★★
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 掛け算あやとり
 足し算しりとり

 

  (麻色レンジャー教室・山口 佳織さん)

 

 

 やりとりの中で変化する様子を、
 計算式に見立てました。

 「川、亀、ダイヤ」と形をかえるあやとり。
 人の手から誰かの手へ、どの糸を掬うかによ
 り、模様は変わっていきます。絡まってしま
 うとお仕舞いとなるし、壮大なスケールを、
 再現することも出来る、予想がつかない飛躍
 が楽しみなものです。

 「しりとり りんごあめ めんこ こま・」と
 意味のシソーラスを巡り、交わされた言葉は、
 私の記憶の格納庫に。記憶の数だけ、たくさん
 の私がそこにはいます。
 (師範 鈴木康代)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★★ 銀賞 ★★             
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 猫とあやとり
 インコとしりとり

 

  (なゆた双眼教室・安達天音さん)

 

 

 キュートさにハートを鷲づかみされた作品
 です。
 紐とじゃれあい手をかざす猫、同じ言葉を
 繰り返すインコの口の動き、そこには、
 猫とインコの振る舞いを真似る子供の姿が。
 真似っこ、という遊びを思い出しました。

 編集は遊びから生まれる・・
 目の前にある全てを遊びの対象にする子供
 の編集力は、大人はかないませんね。
 (師範 鈴木康代)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 掬うあやとり・掬われるしりとり

 

  (五色玄海教室・星野美桜さん)

 

 

 小指、中指、親指が繊細な動きで紐を掬う、
 あやとり、一方で、自分の言葉の尻を相手に
 掬われるしりとり。
 この能動と受動の入れ替わりに、焦点をあて
 た星野さんの編集方針にうなりました。

 掬い、掬われ、その度にハラハラ、ドキドキ
 が胸を打ちます。
 なるほど、遊びは、能動的で受動的でもあり、
 両方、かわるがわる繰り返すから、面白い。
 (師範 鈴木康代)

  

 

「下駄・草履」
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 ★★★ 金賞 ★★★
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 花火の下駄・初詣の草履


  (星目ポリフォニー教室・竹川智子さん)

 

 

 日が暮れて、暑い日差しから逃れた夏の夜、ふたり浴衣姿で
 歩いて向かうは河原の花火大会。カランコロン涼しげな下駄
 の音が土手に響いて、周りにも涼しさを運んでくれます。
 
 除夜の鐘が聞えはじめた大晦日の夜。彼女は晴れ着に着替え、
 寒さを堪えながらも約束の場所へと向かいます。新たな一年
 を一緒に迎え、一年の計を祈りに向かう初詣。今年も見かけ
 た日本らしい光景ですね。
 (番匠 大澤靖永)

 

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 ★★ 銀賞 ★★
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 存在の下駄・気配の草履

 

 (五色玄海教室・小倉圭吾さん)

 

 

 

 一般的には、ものの本質、実体としてあるものを指すものが
 “存在”であり、はっきりとは見えないけれど漠然と感じら
 れるものを“気配”と呼びます。

 五感で掴まえられる“下駄と草履”の違いそれぞれを分かつ
 ことなく、この難しい関係にすべてを託してあらわすことに
 向かった作品ですね。
 (番匠 大澤靖永)

 

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 ★ 銅賞 ★
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 逢い引きの下駄・駆け落ちの草履

 
  (れんれん探源教室・斉藤亜矢子さん)

 

 

 

 同じように人目を忍ぶ恋なれど、乾いた日常に潤いを求める
 “逢い引き”の浮揚感と、日常を捨てさって一途に相手への
 おもいにかけていく“駆け落ち”の切実感。

 そこまでしても求める相手がいる男女の明と暗の心の響きを、
 “下駄”と“草履”が持つ、五感を刺激する素材感、音感と
 いった要素をメディアにして表してくれました。
 (番匠 大澤靖永)

 

【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part2
【編光景】26守一斉稽古! 番選ボードレール[ミメロギア] ー入賞作品Part3

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(イシス編集学校 学林局)

【編光景】26守の一斉稽古・番選ボードレール〔ミメロギア〕 堂々発表!

 

イシス編集学校[守]基本コースには、「番選ボードレール」、通称“番ボー”と呼ばれている全校イベントがあります。
 [守]の編集稽古の中から選ばれた1つのお題の回答を作品としてエントリーし、「番選ボードレール同朋衆」と呼ばれる師範陣が “目利き” となって、作品を選りすぐって講評します。

今回の26期[守]で行なわれた番ボーのお題は「ミメロギア」。松岡正剛校長の創案による、名物エクササイズです。

「ミメロギア」とは、イメージの対比と連想を楽しむエディトリアルゲーム。
たとえば、

 ◎「スイカ・メロン」をミメロギアしてみると・・・。
  どんな視点から「スイカ・メロン」をイメージしますか?

      ↓

  味、形、食べ方、似合う人、ゆかりの場所、持ち運び方など、
  スイカとメロンがもっているイメージを連想して、
  ピッタリくることばやフレーズをいろいろと探していきます。

      ↓

  すると、こんな感じの回答がアップされてきます。

   「かぶりつくスイカ・スプーンでメロン」
   「おやじさんのスイカ・奥様のメロン」
   「縁側のスイカ・病室のメロン」
   「田舎のスイカ・都会のメロン」

26期[守]の番選ボードレールでも、大勢の学衆(イシス編集学校では受講生のことを学衆と呼びます)のみなさんがミメロギアを遊びました。

たくさんのエントリー作品の中から選ばれた、珠玉の入賞作品と講評の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

 番線ボードレール・ミメロギア26守受賞作品 堂々発表! 

 

 

 

     Part1◎2月23日   
    「料亭・居酒屋」
     「あやとり・しりとり」
     「下駄・草履」

   Part2◎2月24日 
    「粉雪・かき氷」
     「モンロー・ヘップバーン」

  Part3◎2月25日
    「声・影」
     「携帯電話・自転車」
     「偶然・必然」

(イシス編集学校 学林局)

editschool編光景~1/9 仄明書屋

風韻講座・仄明書屋(2012.1.9)

イシス編集学校のメンバーなら誰でも知っている学校一の人気講座に、[遊]風韻講座があります。そのメインイベント「仄明書屋(そくみょうしょおく)」が、松飾も取れた1月9日、赤坂の編集工学研究所内で開かれました。
―講座名: 技法研鑽コース[遊]風韻講座/第九座「南天座」(2011.10.31~2012.2.5)


 南天のところどころの律機かな     玄月


昨秋、座開きから、ずっとこの日を楽しみに稽古を続けてきた連衆19名、赤坂参集。

各地からのおもたせも楽しみのひとつ。受講生OGから「シトラス便り」も届いた。

当日のしつらえは、松岡校長の書「本」。赤い表装がモダ―ン。花は木瓜(ぼけ)、白百合、そして南天の赤い実。


一座を率いる小池純代師範。

小池純代師範の歌集『梅園』『苔桃の酒』『雅族』。皆の憧れ。


プログラム半ばには、松岡校長のリアル指南も。句に風韻を熾す赤いマジック!

ソロって、キソって、笑いころげた1日。松岡校長の笑い声もひときわでした。

 

〇風韻講座の次の開講は、2012年5月14日です。
http://es.isis.ne.jp/course_yu_fuin.html

【守map25】汁講sketch「ネットの熱気はリアルでも」

 

イシス編集学校はメールやインターネットを通じてお互いが学ぶオ
ンライン上の学校。師範代や学衆が顔を合わせることなく熱気ある
稽古が行われていますが、お互いの声や姿に触れる機会も楽しみの
ひとつです。

この「汁講(しるこう)」と呼ばれるオフ会は、ただ懇親を深める
だけではありません。教室の熱意や集中を持ち込んで、リアルエク
ササイズが行われることもよくあります。

今日は、5月に行われた仮留綸子教室の汁講でその様子を見てみま
しょう。

○「カンジて仮留、カンジる綸子」

場所は浅草・雷門。松岡校長の著作であり、編集学校における重要
な参考図書『知の編集術』を手にして待ち合わせです。

(福)01_雷門前集合写真.JPG

さて、「はじめまして」の挨拶もそこそこに、小坂師範代がリアル
エクササイズについて説明します。師範代が指南の合間を縫って考
えたお題は、教室名である“仮”“留”“綸”“子”の4つの漢字
から1文字を選び、それぞれと同じ読みをする漢字を散策しながら
探してみる、というもの。題して「カンジて仮留、カンジる綸子」
のスタートです。

(福)02_雷門下漢字辞書その1.JPG

“仮”を選んだのは、切り込み隊長の美絵さん。人で溢れかえる中
でさっそく漢字辞書を広げ、“かり、か、け、げ、かく、きゃく”
といった多様な読み方を見つけました。

(福)03_雷門下漢字辞書その2.JPG

“留”を選んだのは、小麗(さうら)さん。辞書から探し出した漢
字の読みを頭の片隅に留めつつ、今にも雨が降りそうな仲見世通り
を歩くうちに、浄瑠璃(じょう“る”り)、天井の竜(りゅう)、
建立(こん“りゅう”)、風流(ふう“りゅう”)など、目に飛び
込んでくるものをしっかり捕まえてゆきます。

観音さまにお参りしても、スカイツリーを見上げても、花やしきの
脇をすり抜けるときも、江戸下町伝統工芸館と滑りこむときも、み
んなの注意のカーソルは、漢字を探して大忙し。

“綸”を担当するのは陽子さん。風鈴(ふう“りん”)、林立(“
りん”りつ)するお堂、職人の凛(りん)とした表情などを探し出
してくれました。

師範の私も、“子”を担当して久しぶりの編集稽古。
目に映るものを言語化することで、感覚が研ぎ澄まされてくるのを
実感しますねぇ。

おっと、ポツポツ雨が降り始めました。雨宿りしながらお互いに回
答を報告しあうことに。見つけた漢字をさらに読み替えることで、
浅草の魅力を再発見です。当日のベスト1はこちら。

  「仮」から「おみくじの“卦”」
  「留」から「人が“流”れる、“留”まる仲見世」
  「綸」から「木型職人の“鈴”木さんのつくる鯉の“鱗”」
  「子」から「浅草っぽい“根”付」

美絵さんの言葉を借りれば、「単焦点ではなく、広角・標準・望遠
とズームして、ときには広くときには深く、五感を駆使して『見
る』こと」が大切であることを、実感したひとときでした。

 

○「松丸本舗は定番スポット」

汁講では、松岡校長が店主を務める松丸本舗をプランに組み込む教
室が多いのですが、仮留綸子教室も例にもれず、雨を避けながら浅
草から丸の内まで移動してきました。

ブックショップエディターの大野さんに一通り松丸本舗をガイドし
てもらったあとは、しばし各々が本と真剣に向き合います。

おや?あそこで小坂師範代に選本の相談をしているのは誰でしょう
・・・

(福)05_松丸本舗.JPG

 

○「いとへんな、わたし」

松丸本舗にて合流した亜紀さんとカキちゃん、そしてサリーさんを
加え、日本橋のお店の一角で、いよいよ、夜の部のスタートです。

気がつけば、師範代も学衆も女性ばかり。男性は師範の私と冨澤学
匠だけ。ちょっとした女子会の趣きです。

ここでのお題は、「いとへんな、わたし」。教室名の“綸”の字に
ちなんで“糸へん”の漢字を3つ以上使った自己紹介や今日の振り
返りをするというものです。どの漢字3つが使えるだろうか、小坂
師範代が作ってくれたレジュメと糸へんの漢字一覧をにらんだまま、
みんなしばし沈黙・・・

(福)06_沈思黙考.JPG

しかし、そこは普段の稽古で鍛えられている学衆さんたち。難しい
と言いながらもしっかり回答を仕上げてくれます。

例えば、アキさんは「紀、繭、網」の3つを選んで自己紹介。

  私の名前は「亜【紀】」と申します。
  つまり、私の中には糸があります。
  これまでの私は、自分で吐き出した糸でぐるぐる巻き
  の【繭】になっていましたが、これからは、皆さんと
  出会って、ネットワーク(【網】)につながって、
  外に開いていきたいです。

カキちゃんは、「結・紬・縁・絡・綸・紡」と6文字も使って
抱負を話してくれました。

  【結】【紬】の町から来ました。
  今日は【縁】あってみなさんとお会いできてうれしいです。
  これから、【紬】の様に【縁】の糸を【絡】ませ合って
  素敵な【綸】子を【紡】いでいけたら良いと思っています。

陽子さんは「編集の【網】を張り、さらに【練】ることで、言葉の
【絵】を描く」と決意表明。

【素】の自分は【緊】張していたけれど、これからも稽古を【続
けたい」と語った美絵さん。

サリーさんは「【純】粋に【組】織(チーム)でポールを追って
絆】
を感じた」と、汁講前に参加していたバレーボールについて熱
く語ってくれました。

(福)07_わかってきたゾ.JPG

さうらさんが「約・細・総」をつかって入門動機を話したあとは、
編集学校の卒業式である「感門之盟」について、[守]を卒門した
あとの[破][離]の話、白川静さんの漢字の世界について、話
は広がりと盛り上がりを見せてゆきます。

さらに、「方法があるから主題が見えてくる」という小坂師範代の
想いや、冨澤学匠が語る編集学校の歴史に、学衆のみなさんは目を
キラキラさせながら、食い入るように話を聞いていました。

(福)08_夜は更けて.JPG

そして、本日の汁講のデザートは、小坂師範代が見立てた「いとへ
んなあなた」。さて、それぞれ誰に贈られた一字でしょう?

     「緩」 「緻」 「緒」 「経」 「綾」 「結」

 

(福)09_聞き入る学衆.JPG

 

○「情報が見える、自分が変わる。」

後日、「緩」を贈られたカキちゃんからは、教室にこんなメッセー
ジが届けられました。

――――――――――――――――――――――――――――――

  確かに私は、いろんな意味で「緩い」です。
  ぼーっとしてるし、マイペースだし。
  お題への回答もぼんやりしてる!!

  でも真菜美師範代は「緩やかな変化」とも言ってくれました。
  嬉しかったです。

――――――――――――――――――――――――――――――

普段はネットでしか交流していないところ、実際に会って話しをす
るとそれだけでうれしいもの。カキちゃんの喜びが伝わってきました。

また、アキさんからは、こんなメッセージが。

――――――――――――――――――――――――――――――

  直接会ってはじめて感じるモノってあるなぁ…と実感します。

  そのひとつが「声」です。

  私にとって、汁講で直接お会いして一番強い印象を受けたのは、
  コサカ師範代の「声」の響きだったかもしれません。

  お会いした他の皆さんもそうなのですが、あの日以来、
  文章を読むとその声で再生されるようになっていて…
  そうすると、文章のカラーも変わっている気がしています。

――――――――――――――――――――――――――――――

うんうん、すばらしいですね。まさに、イシス編集学校のキャッチ
フレーズ「情報が見える。自分が変わる。」
を実感してくださいま
した。

こんな風に、エクササイズによって情報の「取り出し方」「方法」
を学ぶともに、自分が変わることを実感できること、それがイシス
編集学校のおもしろさです。

初対面だったはずが、旧知の盟友かのように思える濃厚な一日。
今度の週末も、どこかで、こんなことが起こっているはず。

この汁講sketchを読んだみなさんも、「情報が見える。自分が変わ
る。」をぜひ体験してみませんか?

イシス編集学校の門をたたくのを、お待ちしていますよ。

(イシス編集学校 25期[守]師範 福田豊樹)
http://es.isis.ne.jp/

 

【守map24】汁講sketch〜しるしるみしる、汁前の交換〜


♪ピンポン
     \_

       24[守]開講からひと月半がたった11月30日、
       あいうえ王女教室に、汁講開催を打診する
       一通のメールが届きました。


//
☆───────────────────────────

 ちょっとご相談があります。
 「汁講」開催したいと考えているのです。
 編集学校では、リアルに集まる場を「汁講」と言います。
 みなさんのご都合をお聞かせください。

 一期一会のご縁ですのでぜひお会いしたいですね!

 師範代 葛西淳子 
────────────────────────────┛

・・
汁講は、開催される日取りや内容が事前に
決められてはおらず、教室内で自発的に、
大抵は師範代の一声から始まるのです。

私が学衆の時は、
「ネットなのにリアルがあるなんて」と、
ドキンとしたけれど、この教室の学衆さん
たちはというと、


┏───────────────────────────

 実際にお会いする場が持たれるなんて思ってもなかった
 ので少し驚きです。

 お会いしたらまたこの編集稽古の様相も変わってくるの
 でしょうねー。

 成瀬知詠子
────────────────────────────┛

・・
成瀬さん。やっぱりドキンとしますね。

もちろん、汁講の前後で様子が変わり

ます。自分の声で黙読したり音読して
いたメールも、突如として、本人の声
色で響いてくるようになるのですから!
稽古も益々楽しくなりますよ。

┏───────────────────────────

 汁講というのですね
 ネット界隈ではオフ会などと言うようですが。

 ‖goo辞書より
 ‖ しる‐こう【汁講】
 ‖ 来客は各自飯を持参し、
 ‖ 主人は汁だけを振る舞う会食。 汁会。

 なるほど、
 こちらは話のネタを持っていけばいいんですね。

 後藤健次

────────────────────────────┛

・・
後藤さん、【汁講】の謂われを、早速
調べてくれたんですね。

平安後期に京都で生まれた宴会の様式
なんですよ。教室の編集文化を育む話
のネタ、準備よろしくお願いしますね。


┏───────────────────────────

 教室でのやり取りを見ながら
 こういう感じの人なんだ、とか
 きっとこんな顔してんだろうな、と
 勝手にイメージしています。

 ★成瀬さんは綺麗で幻想的な発想が得意そうだし、
 ★後藤さんは科学者的な視線で考えていそうだし、

 ★保母さんはかわいらしい表現が似合ってるし、
 ★佐原さんは寝ぐせでぼさぼさなのに真剣だし。
 ★せっかくなので向井さんの思考もみたいですね。

 是非、お会いしたい、というのが本心ですが・・・。
 北海道からですとそうもいかず・・・。

 新井誠
────────────────────────────┛

・・
新井さん、教室の仲間の回答をよく読
まれ、らしさをつかんでいますね。
ネットだけで、相手のことが良くわか
るのですから不思議。

メールの印象と風貌や実年齢が全く違っ
ていた、なんてことが時々あるようで
すけど。


//
☆───────────────────────────

 さて、汁講の日程ですが、かなり悩める状況です。

 <汁講日程>候補をこの3つに絞ってみました。

          後  成  新  里  正

          藤  瀬  井  奈  剛

  1月9日(日) ◎  ◎  ×  ×  ■
  1月16日(日) ■昼 ◎  ▲  ×  ■

  1月23日(日) ■昼 ◎  ▲  ▲  ×

  ◎:終日OK、■:昼or夜、▲:未定、×:不可

 師範代 葛西淳子
────────────────────────────┛

・・
あら、これは大変だ。
師範代はひとりでも多くの学衆さんと
お会いしたいと願っているもの。
それは学衆のみなさんだって同じこと。


┏───────────────────────────
 
 マサタカです(><)遅れてすいません。

 23日は全部大丈夫にしました(^^)
 あと、1月9日も大丈夫です!! 
 何時まででも大丈夫です(^^)
 
 佐原正剛
────────────────────────────┛

┏───────────────────────────

 正直なところきわどいというのが現状です…。

 みなさんにお会いできたらいいなと思います!
 学びたいこと色々あります!!

 お昼の時間については、指定していただいた時間に
 合わせて出てくるようにしたいと思っています
 そのため、師範代に決めていただければ幸いです! 

 保母里奈
└───────────────────────────┛

・・
大学生のおふたりも、なんとか都合が
つき、1月9日の開催に決定!

正剛君、里奈さん、
普段は年齢の近い人とのお付き合いが
多いと思いますが、大人と交わるのも
楽しいですよ。怖いおじさんなんてい
ないから大丈夫。

新井さん、今回はご参加かないません
でしたが、3月の感門之盟ではきっと
お会いしましょう。

葛西師範代、
スケジュール調整ヨロシクね!


//
☆───────────────────────────

 成瀬さんへご相談♪
 東京駅付近で、教室のみんなとやってみたいこと 
 行ってみたいところありませんか?
 なんせ、東京のことはからきし

 師範代 葛西淳子
────────────────────────────┛

・・

集まるのは東京。
でも、葛西師範代は仙台出身、参加さ
れる学衆さんも首都圏に長くお住まい
の方はいないようですね。


┏───────────────────────────

 あけましておめでとうございます。

 汁講の目論見、お昼のこと。

 私も東京へ越してきて9ヶ月が過ぎようとしていますが
 いまだ東京駅のことは、今ひとつわからないままです。
 唯一、松丸本舗ぐらい。

 お力添えができず、ごめんなさい。

 成瀬知詠子
────────────────────────────┛

・・

成瀬さん、無理言ってすみませんね。
よし!私が、どこか王女や王子に
ピッタリの場所を探しましょうか。


//
☆───────────────────────────

 ●汁講のお題を出題します。
 
 ・子どもの頃好きだった本を一冊と

 ・今気に入っている本やハマッテいる本一冊
  合計2冊を持ち寄ってください。

 本はジャンルを問いません。ご自分の本棚をじっくり
 眺めてみて一冊選んでご紹介ください。

 師範代 葛西淳子
────────────────────────────┛

・・

ふふふ。

編集学校の汁講は、やっぱりただの
飲み会ではないんです。リアル稽古
のお題を考えるのは師範代。

葛西師範代、「本」を使って何かし
ようという訳ですね。どんな本や話
が飛びだしてくるのでしょうか、
楽しみ楽しみ。


┏───────────────────────────

 さて、汁講のお題の一冊。
 今、まさに読んでいる途中の本か、少し前に読んだ本か
 迷っています。子供の頃の本はすべて実家にあるので、
 タイトルを調べておかないといけませんね。

 後藤健次
────────────────────────────┛

・・
汁講前夜。料理好きの後藤さん、
ネタの仕込みに余念がありません
ね。おいしい話が聞けそうです。


//
☆───────────────────────────
 
 明日も寒そうですので、暖かくしておいでくださいね。

 目印に、教室のアイコン「赤いバラの花」を一輪
 もって参りますので、それを目印にね♪

 師範代 葛西淳子
────────────────────────────┛

————————————————————♪————————
——♪——————————————————————♪———

こうして師範代の一声に始まり、
予定が組み立てられ、汁講座当日
を迎えまました。

2011年1月9日、急な用事で参加で
きなかった方もいらっしゃり、3
名の学衆さんが参加の汁講となり
ました。それでも、学衆さんの笑

顔が大豊作の一日でした。
葛西師範代の宝物になったはず。


 24守畠山写真2.jpg
         正剛:葛西師範代はいくつですか?
         葛西:え〜。あなたのお母さんくらいよ。
         後藤:着物にiPhoneですか?
         成瀬:ええ。それくらいがいいんじゃないの。

あいうえ王女教室の汁講sketch、
締めくくりは、翌日教室に届いた
こちらのメッセージ。


┏───────────────────────────

 いろんな表現方法がありますが、
 私たちはことばでつながり、多くを表現しています。

 ことばのつなぎ方で私たちの間がどんどん変わる
 こたえはいくつもある。
 ひとりひとりの中にもいくつものこたえがある。

 携わる仕事、分野は違えど、答えがいくつもあり、
 誰しもの中にいくつもの答えがあることを知れば、
 まじわることばを見出せるのだなぁ
 と、昨日の汁講でしみじみと感じました。

 本当にいい集まりでした。

 成瀬知詠子
────────────────────────────┛

24守卒門は2月13日。
もう門はそこまで見えています。
師範代、そしてここに集う仲間と
たくさんの交し合いを塗り重ね、
切磋琢磨!目指せ、全員卒門!


(イシス編集学校 24期[守]師範 畠山尚子)
 http://es.isis.ne.jp/

【守map24】汁講sketch〜本とおしゃべりで盛り上がる「私は何色?」〜

時は折しもクリスマス。

サンタクロースが、あっと言う間に街を駆け抜けた12月25日に、
24[守]「月猫熊猫教室」の「汁講」が開催されました。

「汁講」とは、イシス編集学校の「守」「破」の開講期間中に、
各教室で行われるリアルな集いのこと。

普段は、ネット越しでしか知らない相手と初めて顔を合わせる。
ちょっとドキドキするはずなのに、いざ顔を会わせると初対面

とは思えない。

そんなエキサイティングな汁講のお裾分けはいかがでしょうか。

申し遅れましたが、私、24[守]で師範をつとめております、
水野と申します。

◆◇◇

松丸本舗のある丸善の一階入口前に定刻の11:00きっかりに、

月猫熊猫教室で学ぶ「学衆」さん3名が集合しました。

にこやかに出迎える渡会真澄師範代と、まるで昨日も話をして
いたかのように挨拶を交わしています。

それにしても・・・

初対面のはずなのに、誰も迷いも見せずに一直線に渡会師範代の
もとへ。なぜ迷わない?

・・・ネット雰囲気は、リアルにまで伝染するのか・・・

瞬時に打ち解けた教室の面々は、一直線で松丸本舗へ。

まずはイシス編集学校の師範代でもあるブックショップエディター
の大野さんのナビゲートで松丸の棚を回る。

   24守:みずの写真1s.jpg
   ブックショップエディターにナビゲートされる月猫熊猫教室の面々

なぜ本の並びが、こうなのか、あの本は一体どこにあるのだろうか。
普通の本屋さんとは似ても似つかない本のならびに、初めて松丸を

訪れる人達はそんな戸惑いに満たされることも多い。

大なり小なり、そんなことを感じていた学衆さんたちも、大野さん
の説明に、しきりにうなずいています。

どうやら、棚の並びの文脈をご自分なりにイメージしている様子。

ところで、これは編集学校の学衆向けツアー。
ただでは帰してもらえない。

「“二軸四方”は、もう編集稽古でやりましたよね?」

「うっ・・・」

「棚のアレンジにも編集の型が使われているんですよ」

さりげなく大野さんが放つ編集用語から、教室で学んでいることが、
現実につながっていることを、みなさん実感している様子。

  一つのストーリーのように本棚がつながっている・・・
  何回も来たのに、また棚が違って見える・・・

そんなことを皆さん、お感じになったようです。
大野さん、どうもありがとうございました。

◇◆◇

さて、ここからが、単なるオフ会ではない汁講のハイライト。

オフ会とて稽古の場と化すのです。

ということで、渡会師範代から出題されたお題はこれ。

   +++

    色にたとえたら…   その色が似合う本は…
    編集学校は(  )色。 『     』
    わたしは (  )色。 『     』

    ____は(  )色。 『     』

   +++

なるほど、そう来ましたか。
にこやかに、回答用紙まで手渡されちゃいました。

このお題を意識した時に、いったいどんな本達が松丸の棚から飛び出
してくるのでしょうか。

日頃のお稽古の中では、同じ型を使っていても、回答に正解はなくて、
まさしく多様。視点を変えることで、見えるものが変わってくるので
すね。

ということは・・・?

大野さんの説明を受けた今、前とは本棚が違って見えるはず。
そして、このお題を意識すれば、更に違った視点で本棚が見えるはず
ですね。

こんなに、一つの本屋さんをしゃぶり尽くせるなんて、汁講って実に
美味しいんですね。

ちなみに、このお題は学衆のみなさんだけでなく、水野にも、そして
汁講に飛び入り参加をした24守を取りまとめる冨澤陽一郎学匠にも
容赦なく出題。

制限時間は一時間。

螺旋に渦巻く松丸の棚を今度は、横にぐるぐる、時には縦に目をはわせ

台にのって上の棚も確認する。

うーーん、ちょっと悩んだか。

ちらほらと大野さんに相談する姿も。

   24守:みずの写真2s.jpg
               選本の相談会か?

お、今度は、鉢合わせした仲間と意見交換か。

水野も途中で、お声掛けするも返事はややうつろ、すっかり本の世界に
トリップしているように思えた方も(笑)。

とても一時間では足りない、とみなさんの顔に書いてありましたが、夢
中になって、はまり込んでいた表情が印象的でした。

◇◇◆

で、みなさんどんな本を選んだのでしょうか。

発表は場所を移動して、おいしいランチをいただきながら、順番にいき

ましょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
小川一彦さん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(黄・黒)色。『世界と日本のまちがい』松岡校長
  わたしは(紫)色。『ローマ人の物語』塩野七生
  人間界は(灰)色。『ユダヤ教』Mモリスン、SFブラウン
           『精神分析入門』フロイト

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義 ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫 http://images.amazon.com/images/P/4791760905.09.THUMBZZZ.jpg http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YnyCgM%2BEL.jpg

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
石津恵子さん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(金)色。『アラビアンナイト』ディクソン編
  わたしは(乳白)色。『ケルトの妖精』井村君江
  フリーメーソンは、(銅)色。『フリーメーソン』リュック・ヌフォンテーヌ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

http://www.ehonnavi.net/images/Ehon_30843.jpg http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JD546M02L.jpg フリーメーソン (「知の再発見」双書)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大場健太郎さん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(銀)色。『エッシャーの宇宙』ブルーノ・エルンスト
  わたしは(金)色。『酒食生活』山口瞳
  コンピュータは(銅)色。
  『チャールズ・バベッジ〜コンピュータ時代の開拓者』
   ブルース・コリアー、オーウェン・ギンガリッチ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エッシャーの宇宙 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XY1XWGW4L._SX230_.jpg http://www1.e-hon.ne.jp/images/syoseki/ac_r/85/32267685.jpg

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
渡会真澄師範代
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(赤紫)色。『寺山修司の仮面画報』寺山修司
  わたしは(黄)色。『おともだち』高野文子
  月猫は(青灰)色。『武満徹エッセイ選〜言葉の海へ』小沼純一編
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

寺山修司の仮面画報 おともだち 武満徹エッセイ選―言葉の海へ (ちくま学芸文庫)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
水野
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(オレンジ)色。『遊び図鑑』奥成 達・ながた はるみ
  わたしは(スカイブルー)色。
  『2001年宇宙の旅』アーサー・C,クラーク
  目指す仕事のスタイルは(レインボー・虹)色。『千夜千冊』松岡正剛
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

遊び図鑑―いつでも どこでも だれとでも http://ecx.images-amazon.com/images/I/5144VG4DYTL.jpg 松岡正剛千夜千冊 (1) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冨澤学匠
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  編集学校は(曖昧で淡い)色。
  『月と農業』ハイロ・レストレポ・リベラ
  わたしは(青・黄)色。『星のきほん』駒井仁南子
  渡会師範代は(白)色。
  『猫』大佛 次郎、有馬 頼義、尾高 京子、谷崎 潤一郎 他

  『熊』ベルント・ブルンナー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

月と農業―中南米農民の有機農法と暮らしの技術 http://ecx.images-amazon.com/images/I/31jmYL1z9BL.jpg http://geijutsuhiroba.com/books/assets_c/2010/04/42011003179031-1-thumb-350x480-16701.jpg http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UIgRQZ7kL.jpg 

でも、なんでその色、その選本なの?

いやはや、同じお題なのに、実に様々な視点で本を見ているのですね。

三番目の自由な言葉がバラバラなのはともかくとして、みんなに共通する
はずの「編集学校」さえも色が違う。本に至ってはもう自由自在。

自分自身を色に例えるのも、小川さんは自分の目指す自己のイメージ、と
王道を進むかと思えば、石津さんはマイブームから連想したし、大場さん
はビールが好きだから、という自分の好みからの発想。

そして、ここはやはり編集学校。

みんな、単なる感覚だけで色や本を決めたわけじゃないんです。

なんで、この本なの、という色から本を語る時のみなさんの語り口の熱い
こと。自分自身のことを語り、自分の最近の興味を語り、そんなみなさん

の心の中にある様々なものが混ざり合い、色になり、本になったのですね。

とっても編集的。

そして、それに真剣に聞き入る教室の仲間。

いやはや、実に不思議です。
なんで、ここまで引きつけられるのか。

ネットだけでも、リアルだけでも、初対面からこんなに時を忘れるほど
充実した会話はないのでは、と感じます。これもまた、イシス編集学校

の不思議ですね。

   24守:みずの写真3s.jpg
            本と教室の話題が熱い「猫の集会」

◇◇◇

そろそろ流れもクロージングへというところで、みんなの視線が一斉に冨澤学匠へ。

それは気になりますよね、
お稽古の舞台裏。

「お題はどうやって作るの?」
「師範代や師範って、どんな人達がどうやってなるの?」
「実は物語が書きたいんですけど、破ってどんなところ?」

そんな素朴な質問の一つ一つに丁寧に向き合い、時にご自分の苦労話も
ためらいなく開示していただきながらのお話は、また新たな発見になり
ました。

そんな楽しい汁講もあっと言う間におしまい。

話し足りない面々は、最後に九段下のギャラリー册へ。
静かにハーブティーを飲みながら、これからの稽古への抱負を語り、
名残を惜しみつつもお開きに。

この続きは、再び教室でと誓い合って、さらに交わし合いは展開していきそうです。

(イシス編集学校 24期[守]師範 水野操)

 http://es.isis.ne.jp/
 

【守map24】24守伝習座★歴史的現在と編集的現在の交差点

【守MAP24】24守伝習座★歴史的現在と編集的現在の交差点

 

よく晴れた暖かい初冬の一日、第84回伝習座が開催されました。伝習座は、イシス編集学校の入門コース「守」、応用コース「破」の各期に2回ずつ開催される師範代・師範のための勉強会です。この日は開講後およそ一ヶ月が経過した第24期守の二度目の伝習座です。

「伝習」とは、もちろん王陽明『伝習録』にちなんで松岡校長により命名された名称。現在、教室の中で学衆に対面し教室を運営し指南を繰り広げる師範代、そしてその師範代を率いる師範に学匠、輪匠、番匠ら指導陣が加わり、守全体が相互に伝え習い合う座なのです。

本日はそんな非公開の伝習座の熱い模様、秘められている編集学校の奥の奥のほんの一端をレポートします。

 

★24守を縦に動かす学匠メッセージ

IMG_0390b.JPG

「今起こっていること、これから訪れることを丸ごと引き受けてほしい。」きりりとした言葉で冨澤学匠は、校長校話の一節を引用しました。校長校話とは、毎 期編集学校内限定で発せられる松岡校長のメッセージ。多くの示唆を含んだその言葉を学匠が場に合わせて的確に切り出してみせます。

「縦に動かすというのは、自分と対象との関係の奥に向かっていくことです。そのためには、その知に“さしかかる”という感受性を敏感にするといい。世の中や社会や本の中にあるメッセージやコンテンツはつかめる。でもそれを持って縦に動かし、奥へ行くというのは、自分がゴールや何かにさしかかっていくときに動くしかないでしょう。その「動いていった知」を感じることが大切なんです。そのために、自分の知を縦に動かすんです。」

その松岡校長の言葉を踏まえ、「24守の教室は、全般に縦の動きが乏しく、平坦で横並びに感じます。特に師範はもっと頑張るように。既存の自分のパターンに陥いらず、問題意識に対して奥に向かってください。」とハッパをかけました。

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★旬を写しこむ輪匠メッセージ

「今は鍵穴が一気に開く時。今起こっていることが、守の後半とその先の24破につながることを確認してください。24守全体としては、とても充実した稽古がくり広げられていますね。」「それぞれの教室内の特徴に加えて、連塾ブックパーティや弥勒プロジェクトのグランドフォーム等のイベントがあり、松岡校長の新刊-セイゴオ語録 1・2『危ない言葉』『切ない言葉』も発売され…、こうした教室の外の情報も上手に借りて24守の旬の景色に映し込んでください。学衆さんにとっては、今の稽古が編集学校の原風景、24守が絶対のトポスになります。皆で忘れがたい景色を作っていきましょう。」大武輪匠からは、「今この時」に切実に向かっていこうというメッセージが届けられました。

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渡辺彰衡師範(写真左)、岡本尚師範による用法解説

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(写真左から)畠山尚子師範、鈴木康代師範、景山番匠それぞれの「ようそこ先輩」

 

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師範代・師範レポートによる「24守NOW」&ポストイット活用ワークショップ

 

★伝習座ハイライトは松岡校長の3to1 Q&A編集術

師範による用法解説やカマエを伝える「ようそこ先輩」メッセージ、そして師範代・師範からのレポート、編集術ワークショップと充実のプログラムを経て、いよいよ伝習座のメインイベント、松岡校長の講義が始まります。

今回は、番匠・師範・師範代からの問い三つを聞いて、松岡校長がその場で答えていくという究極のQ&A編集術。

松岡校長:チェンジ、トランジットは日々起こっています。自分がその変化をどのようにここまで実感できたか?あるいは、どう変化させるかは難しいけれど、変化させたいことでもある。常に「方法≒内容」であり、「メディア≒コンテンツ」であるのだから、どういうスタイルで何をするかが重要で、それを掴むしかありません。

禅では問答を商量と言います。商は割り算の答え、量は量る。予測し、天秤にかける。問答・商量の中にいろいろな秘密、方法、内容がちりばめられています。プラトンはダイアローグを発見しました。この方法は凄い。ミランダ王の問いなど、世界史上で対話はプラトン以前にもありましたが、分量からするとプラトンが圧倒的に凄い。これは師のソクラテスが著述を残していないこととも関係します。プラントンは何をしたのか?ソクラテスが死んでから考えた、ものすごい編集をしたことになります。著作30~40冊を編集するのにそれぞれのパッケージ、タイトル、シーンなどを全て考えた上であれだけの組み立てを実現した。編集学校も、問いが出て学衆が答えるというスタイルです。ここに編集工学の秘密がある。そこに、指南・再回答が加わり、また勧学会、別院などの場も加わります。この仕組みはいくらでも仕事への応用も利きますが、その根本にあるのはQ&Aなのです。

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Q1-岡部師範:連塾ブックパーティスパイラルでの佐藤優さんの話で「行間を読む」という点に特に興味を感じました。師範代で苦しいのは、学衆の回答の行間を読むことで、自身を浅いと感じるのもそこになります。松岡校長はどのように行間を読む力を養ってきたのでしょうか?

Q2-土弘師範代:未来を予測することに意味があるのでしょうか?身近な例ですが、雑誌・書籍の電子化について未来がどのようになるのか、とても気になっています。

Q3-八田師範代:「日本という方法」がずっと気になっています。これからの日本において、日本人は「日本という方法」をどのように活用すべきでしょうか?
また、いかに応用すべきなのでしょうか?

 

A-松岡校長:「現在とは何か?」ということでしょう。現在を、「歴史的現在」とらえるということ。私はそこに、「編集的現在」という切り返しを作っています。そうすると、大変大きなスコープが混じり合って見える。アヘン戦争や東京裁判などのことを忘れたことはありません。あるモノやコトが、言明されたりニュースになったり言説になったりしますが、それらは既に社会が、体験してきたもの、疑似体験してきたもの、未着なもの、言い換えないと当たらないもの、でもあります。

「本を読む」ということは「本の中に言明された部分を読む」ということに相当します。「行間を読む」とは「歴史的現在に立ちながら、編集的現在にある」ということです。

日記やブログではほとんど考えられていないのですが、著者がどういう歴史的現在に立って書いているか?ということです。そこそこの書き手は、そこそこの読み手に向かって書こうとしています。

未来予測も同様にして、「マーケットとは何か?」「かつてどのような市場が、何の組み立てだったのか?コモディティ?財とサービス?」などの中に回答があります。普通の予測をする必要はありません。我々の中に潜んでいるものは、歴史と現在で十分で、歴史の中でいかに編集されてきたか?その編集力が落ちてきているのが現代です。日本をとらえると、グローバリゼーションの波の中で摩滅して、混乱しています。たくさんのものを凝集させて、シナリオにしてゆくよりないでしょう。

このように、三つの問いを高速編集し、その背後に動いている歴史と現在の動向を踏まえてQとAと繰り広げられました。その他の問いを覗いてみると、

天野師範代:アタマの中の外国語と日本語の共存について

渡辺番匠:罪の償い方について(自分の中にある、自分自身が許せない体験について)

渡会師範代:編集稽古の指南における、「らしさ」について(言葉と思いにはギャップがあって言葉で説明すればするほど遠くなる。言葉による説明には限界があるのか?)

村井師範:悩み方について(悩むことについて悩んでいる)

番匠・師範・師範代、各人各様のさまざまな問いが発せられました。個人的なこと、編集学校にかかわること、職業にかかわること、世界と日本にかかわること。マクロにミクロに行き交うQ&Aは伝習座後、赤坂稲荷坂の編集工学研究所に戻ってからも夜遅くまで続けられました。

こうした問いを立てるという編集稽古を通じて得られた刺激が、24守へ、そして学校全体へと波及していくのを感じさせてくれた伝習座の一日でした。

 

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(イシス編集学校 別当師範代 土屋満郎)

【守map23】ネーミングから始まる粋な演出

 ネット上で編集稽古が行なわれるイシス編集学校において、リアルに教室のメンバーと顔を合わせる機会が「汁講」。“オフ会”と 言わずに“汁講”と言うところが、イシスらしさなのですが、自分 の教室の汁講をどうプランニングするかは、師範代の編集力の見せ所。それぞれの“教室らしさ”にこだわります。

 遠島師範代の「下町ウェブ教室」の汁講は、 【下町ウェブ汁講☆スカイツリーで会いましょう】 と名付けられました。松丸本舗での選本テーマは「縁」。まさに教室での “出会い” を象徴しているようです。松丸を一通り楽しんだ後は “下町” にちなんで浅草に移動し、「東京スカイツリー」をバックに記念撮影。実は、遠島師範代が教室を伸びゆく「編集スカイツリー」と見立てていたこともあり、参加したみなさんはあいにくの雨の中でも、納得の笑顔。仲間同士で共感できるのは、ネーミングの成せる技です。

 中山師範代の「風躍ルビー教室」の汁講は 【発光◆/汁講】。 “ルビーの輝き”をキーワードに、教室のみなさんに輝いて欲しいという意味を込めました。さらに昼(ランチ~松丸本舗)を「日光の部」、夜(宴席)を「月光の部」と名付け、松丸本舗での選本テーマも「輝きの一冊」というこだわり。また、「日光の部」はイタ リアンレストラン、「月光の部」は和食の創作料理のお店というチョイスで “らしさ” を表現。とくに「月光の部」は、薄明かりの落ち着いた雰囲気が、まさに「月光」にぴったりのお店。師範代の素敵な演出に、参加したみなさんはとても喜んでいた様子でした。

 教室名からイメージが広がり、名付けることでらしさが際立ち、 しつらえのアイデアが生まれてくる。そして、なにより共感しあい教室の仲間が一体になる。ネーミングのもつ魔法の力。これも編集なのですね。

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雨に煙る東京スカイツリーをバックに。これも“下町らしい”一コマ

(イシス編集学校23期[守]師範 村井宏志)

【守map23】みんな笑顔のためならエンヤコラ

リアルに顔を合わせるのは初めてなのに、
なぜだかみんなが懐かしい。
離れがたく忘れがたい一日、汁講。

この日を迎えるまでに、師範代・師範の間では
何度も何度も打ち合わせが繰り返されます。

  地方から参加する方にもわかりやすい集合場所は?
  シャイな学衆さんも、すっと場になじめる企画は?

  「教室らしさ」はどう出していく?
  お稽古の奥深さを感じてもらうには?

あれこれ浮かぶ問いを分かち合いながら
師範と師範代の間で交わされたメールが
100件を超したチームもあるほど。
そこにあるのは、「おもてなしの心」です。

ある教室では、参加メンバー同士、本を交換するという
プログラムを実施したのですが、その際のくじ引きに

一工夫。
師範代秘蔵のポストカードに、松岡校長の言葉から
セレクトした一言をしたためました。

──────────────────────
 少年少女がめざめるべき科学の真髄こそが、
 ここにある。いや、大人だって科学の翼に
 乗ってそのまま大空を滑空できる。
(千夜千冊・859夜、マイケル・ファラデー『ロウソクの科学』)

───────────────────────

こんなふうに、一枚ごとに違う言葉が綴られたカードを
使う「くじ引き」は、それだけで、
ひとつのイベントになりそうですね。
もちろん、そのあとの本の交換というメインイベントも
おおいに盛り上がりました。

参加メンバーが準備段階を共有できる、こんな仕掛けも。 

────────────────────────────
 たとえば学衆さんにも、何か目印をつけてきてもらう。
  ~にちなんで ○○ がどこかに入っていること
 とかすると、準備段階からちょっと気分が変わりますよ。
 私が汁講で大阪に行った時は、やっぱりトラでしょー、
 ということで、どこかに黄色と黒が入っているように
 みたいなことをしました。
 そういうところからもなにか、らしさが出てきたりもする、

 ということ、ちょっと意識してみてくださいね。
─────────────────────────────

汁講直前、師範から師範代に向けて発信された、
「ドレスコード」に関するメッセージです。
師範代は教室名に組み込まれた「ファンタ」から、
「オレンジか紫のものを身につけてきて!」と
学衆さんにリクエスト。会った瞬間から
互いの「オレンジor紫」を探し合い、

汁講は和気藹々とスタートしました。

会った瞬間をイメージして、その日の装いを編集する。
なんだかワクワクしちゃうでしょう? 

学衆さんにとっての「特別な一日」を演出するためには
時間も手間も、アイデア出しも惜しまない。
そのなかで、師範代・師範にとっても、かけがえのない
思い出がかたちづくられていきます。

(イシス編集学校23期[守]番匠 伊藤真由美)

 

【守map23】この夏、師範代の一番長くて熱い一日

 2010年8月15日。

 38題全てを24:00までに回答すれば23期守を卒門できる。この門
を目指し、イシス編集学校の各教室では胸を打つドラマが繰り広げ
られます。

 私が関わっている教室も例外ではありませんでした。

 ある教室では15日に飛び交った回答・指南の発言数はなんと87。
勧学会発言も含めると実に100を超えるやり取りがこの日だけで交わ

されました。とりわけ師範代の発言数は圧巻の42。数字からも師範
代の学衆さんへの熱き思いが伝わってきます。

 とにかく卒門は守の学衆さんにとっての一大イベント。オリンピッ
クに勝るとも劣らぬ予期せぬ感動が渦巻いているのです。その一端を
みなさんにも少し味わって頂きたくて当日師範代が学衆さんに向け発
信した指南冒頭のメッセージを一部ご紹介します。

 
 

 Iさん、みなさん

 おはようございます。師範代です。
 お待ちしてましたよー Aちゃん。

 > 明日はがんばって回答します。

 はい。キリリと卒門決めましょうね。

 あと、11題ですよ。

 出来たものからどんどんアップして下さいね。
 加速していきましょう!

 では、またね。

 ★
 Yさん、みなさん

 おはようございます。師範代です。
 コツコツと寸暇を惜しんでのお稽古お疲れさまです。

 あと10題まで来ましたね!

 Yさんだったら、卒門を決めてくれると信じていますよ。
 ギアあげていきましょう♪

 では、またね。

 ★
 Yさん、教室のみなさん

 こんにちは。師範代です。
 ふー やっとYさんに追いついたー
 ガシガシ行きましょうね。

 > 師範代さま
 >
 > また回答が滞ってしまいました。「もう後がないY」です。
 > 今日から15日までお盆休みにしましたので、超特急に乗って

 > 電車の中でも急いでじっくり考えて走ります。
 > よろしくお願いいたします。

 あい、よろしくです。あともうひとふんばりー

 
 Yさん、教室のみなさん


 師範代です、こんにちは。

 > 師範代さま
 >
 > Yです。家事をこなしてはパソコンに向かっています。
 > 025番の回答をお送りします。どうぞよろしくお願いいたします。

 うんうん、いろいろ並行してやらなきゃ行けないのが
 辛いところです。

 では、私も続けていきますね。

 
 Yさん

 師範代です。

 おっしゃー これでリーチですね!
 あともう一踏ん張りのバリだよ。がんばれ、負けるな。

 みんな応援しているよ!

 
 Hさん

 師範代ですっ。よしよし、時間がかかる38番を先に
 やったんだね。やっぱり策士^^

 残すは、27番・31番だ!
 一気に行け===☆

 
 Hさん

 師範代です。全番回答おめでとう!
 これで、卒門ですね。やったー!!!!!

 > 最後!(31番は送れてると思います)

 うんうん。ほんまや。21時に来てました。すみません。

 やー よかった・よかった。

 Hさん、喜びの声をいっちょー 勧学会にてお願いし
 ますよ。

 では、またね。

 この日、師範代はほぼ丸一日、パソコンの前で卒門を目指しラス

トスパートする学衆さんを指南で励まし、伴走し続けました。ゴー
ルテープをきった学衆さんとは努力を讃え喜びを分かち合う。

 だからこそ学衆さんからはこんな感謝の言葉が届きます。

 
  ボロボロでゴールインしました。
  やはりお稽古事は、人生に張りがでますね。
  この教室に出会えてよかったです。
  ありがとうございました。

 

 「一人でも多くの学衆さんを卒門まで導きたい」。

 これはイシス編集学校師範代全員に共通する思い。師範代は他の
誰よりも(もしかしたら当の学衆さん本人よりも)、その卒門を信
じ、願っているのです。

 そんな16人の師範代の愛が最高に溢れた8月15日。次にこの感動
の渦に包まれるのはあなたかもしれません。

(イシス編集学校23期[守]師範 清水伺名子)
 

【守map23】交わしあい・贈りあい

 守のお稽古を38番まで全うし、修了することを卒門という。
 この頃になると、不思議な共鳴が教室に満ちてくる。

             ◇ ◇ ◇

 手応えたっぷりの38番の回答を終え、続々と門を駆け抜ける学
衆さんたち。
 今期二度目の師範代を務めるO氏は、一人一人への卒門のお祝い

メッセージに、松岡校長の千夜千冊から一冊ずつ選んで添えた。
 編集術との出会いをお稽古に留めず、さらに広げていって欲しい
という、O師範代の思いが溢れているように見えた。
 ある学衆さんから、お返事が来た。

 ──通信では書いた覚えがなかったのですが、実は私、この作家
   の作品が好きなんです。師範代がなぜこれを選んで下さった
   のか…なんだか、妙なご縁を感じてしまいました。

 返信をした学衆さんは、お稽古前の挨拶文にかえて、その時々で
読んでいる本について紹介をし、話題を提供し続けてくれた人だっ
た。
 編集稽古に向かう姿や回答から立ち上る、ほのかな情報の様子を
読み取り続けてきた師範代との間だからこそ、言外のものが伝わり、
名状しがたい何かが生まれるのだろう。

             ◇ ◇ ◇

 ある教室では、卒門した学衆さんが、勧学会に応援歌を差し入れ
た。さらに一時間後、第二陣。編集稽古の応用よろしく、教室名と
お稽古の様子を入れた替え歌バージョンも登場。

 卒門目指してお題と格闘中だった学衆さんが、お稽古の手をとめ
てまで返信した。

 ──魂の応援歌、ありがとうございます。
   私は、カラオケで歌うのが好きではありません。

   が、成り行き上、歌わなければならないとき、歌うのが、
   この曲です。
   これは、本当です。
   ・・・
   もし、会うことがあれば、みんなで、歌いましょう!
   ほんとうに、いい歌です。

 学衆相互の間でも、何かが伝わっている。
 ある学衆さんは、応援旗を教室に贈った。

 ──卒門まであと一歩の人は 「がんばれー。」
   私は この旗を 手がちぎれんばかりに
   力一杯振って応援しています。

 旗を掲げた思いに、旗に染めぬかれた言葉に、誰もが励まされた。
 この旗のもとに集う詩も朗々とうたわれた。
 教室の一体感が溢れてくる。

 稽古に伴走して指南を続けるK師範代が泣きそうになっているの
が、画面ごしに伝わってきた。

             ◇ ◇ ◇

 卒門の刻限が近づく。
 教室は、師範代の指南と、走り続ける学衆の回答が続く。
 稽古に集中できるようにと応援の声もいつしか止むが、みなが
じっと見守っていることが伝わってくる。

 そして、真摯にかけ続けた仲間のゴールが宣言された時、ある
学衆さんは、こんなメッセージを贈った。

 ──果敢なダッシュで外野を楽しませていただいた
   Tさんがご卒門とのこと、嬉しい限りです。
   とくにできることはないのですが
   なんとも気になって、ついつい
   メールチェックしてしまいました。
   夏休み明けの日曜深夜に

   気持ちのよい風をありがとうございました。
   あしたからもがんばれそうです。

 仲間のことを喜ぶエネルギーが、明日へと向かっていく。

             ◇ ◇ ◇

 4ヶ月を共に駆けてきた稽古仲間だけが持つ、不思議な場。
 これも、イシス編集学校マジックである。

(イシス編集学校23期[守]師範 根岸伸佳)

【守map23】変幻自在・七色”編”化に同朋衆

 五月雨から紫陽花雨へと移りゆくとき。23守の各教室では、第1
回番選ボードレール(番ボー)のエントリー締め切り
が刻々と迫り、
師範代と学衆の指南⇔回答のやりとりが熱く濃く交わされていまし
た。ちょうどそのころ、期を越えてやってきた先達師範と23守現役
師範8人
が同朋衆としてウェブ上に設けられたとあるラウンジへと
集まってきました。番ボーでエントリーされた作品を講評するので

す。先達師範は、10周年を迎えるイシス編集学校とともにずっと関
わっているN師範。9守では学衆で、師範代から師範と豊富な経験
をもつH師範、門前指南から13守入門したN師範、やはり13守から
5年の関係線というK師範と大同縁を描く皆様です。

 番ボーの最終的なエントリー作品は132。同朋衆はまず、翼をぱ
ーと拡げ、全体を鳥の目で見渡します
。次にぐぐっとズームイン

してひとつひとつの作品が生まれていったプロセスに迫り
の意図を探索—いわば虫の目で
追いかけます。さらにプリズムを通
してみるがごとくの魚の目も駆使します。同朋衆はそれぞれの編集
方針を立て、構成を練り、講評執筆へと向かいます。

 ここから、それぞれの近況や心境も語らいながら、第1稿、第2
稿へとずんずん進んでいきます。番ボー講評は、同朋衆にとっての

編集稽古。イシス編集学校で繰り広げられている番稽古同様、余所
見、脇観、盗味
はもちろんOK。このときこの場の旬を最大限採り
入れつつ、これまでの講評の軌跡も辿り、その方法も参照します。
刺激と啓発をハイパー・ハイタッチに浴び、また自らの「ワカル」
「カワル」を腑に落として、編集していきます。

 当初、こうしようと打ち立てた方針を思い切って「ヤメル・キル・
ステル」—すぱっと潔く
という場面も多々ありました。

 ラウンジに集ってから2週間。6月15日・16日の2日間に8つの
講評が学衆の皆様に向けて放たれました。変幻自在な色と形をみ
せる紫陽花のように
、カワルことが鮮やかなラインアップとなり
した。

(イシス編集学校23期[守]師範 池澤祐子)

【守map23】着替えのチカラ・同朋衆篇

 イシス編集学校では、「名辞」というものを大事にしています。
 それも、耳慣れない言葉が多いんです。
 学ぶ人を学衆さんと呼び、コーチ陣には師範代、師範、番匠、学
匠と、それぞれの役割に応じてどんな伝統芸能の場か、というよう
な名前がつきます。

 過去の守MAPでもネタになっていましたが、そもそも教室名も
かなり変わっています。

 これらの名前、単に和なテイストのものだけではありません。
 例えば守のお祭り、番ボー、番選ボードレール。
 洋の東西などやすやすと飛び越える組み合わせ。
 なぜ「番選ボードレール」なのだろう。
 そう問いを立ててみると、感じ始め、動き出すものがあることで
しょう。

 編集学校においてそういう体験を重ねるにつれ、名付けるという
行為自体や名前がとても大事なものであると、改めて感じられるよ

うになっていきます。

 さて、そんなハイブリッドなネーミングのイベント、番ボーで、
学衆さんによる作品エントリーが一段落すると、講評担当の師範達
は「同朋衆」へと着替えをします。

 これは大きな役割の変更。
 日頃の担当教室を見守る目から、その作品群を見る目に、期を見
通す目にかわります。

 着替えをし、素振りをして体に何かを思い出させながら、段々と
目つきも手つきも言葉付きも変わっていく姿。圧巻です。

 さらに現役の守教室師範だけでなく、過去期の師範達(先達)も
同朋衆の一員として登場、同じ部屋に集まってそれぞれ、講評の推
敲を繰り返します。

 熱い。静かだけれども、熱い場がそこに生まれます。
 そうしてその熱の中で鍛えられ、磨き抜かれた言葉たちが、学衆
さん達のもとへ、講評として届くのです。

 今回私は着替えずに隣で控えている立場でしたが、その過程を拝
見して思うことは、着替えるチカラのすごさです。

 そして、推敲を重ねるたびに研ぎ澄まされていくのは文章だけで
はなく、同朋衆達の感覚そのものなのだと感じました。

 役割を明確に変え、名乗りも変える。
 そのことがもたらす、視線の変化。意識のありようの変化。

 それも編集稽古の醍醐味の一つとして、大いに味わっていただき
たいと思います。


(イシス編集学校23期[守]師範 根岸伸佳)

【守map23】情報の風を浴びて

 太平洋に浮かぶ小さな島から、飛行機と電車を乗り継いで半日あ
まり。気づけば、東京の雑踏の中に放り込まれていた。

 いやはや、街行く人の、なんと多いこと。暮らしの速度の、なん
と速いこと。あっちでは、欲しいものを買ってもらえなくて泣きじ
ゃくっている子供を母親が怒鳴りつけ、そっちでは、恋人同士が、
目を見つめ合いながら静かに手を重ね、またこっちでは、疲れた表
情をしたサラリーマンがタバコに手を伸ばし。しかも、その間にも、
電車発着のアナウンス、電器店の呼び込み、切符販売機のガイダン

ス、ケータイの会話、テレビの音声などが容赦なく、ひっきりなし
に耳を襲ってくる。何しろ、つい半日前までは、人間よりも、孔雀
やバナナを目にすることの多い生活をしてきたのだ。この大都会の
けたたましい情報の質量に圧倒されて挫けそうになる。

 しかし、そんなことではいけない。と、まずは心を静め、自分を
観察してみると、どうも、もろもろの細部の情報に注意をとらわれ
てしまっていたのだと気づく。カップルの指先にこもった熱だとか、
テレビで広告されている商品のスペックと市場価値だとか、そんな

モノゴトに、いちいち感覚や心を巡らせるから、ついて行けなくな
るのだ。

 思い切って注意の起点を引き、やわらかい目でこの街を眺めると、
大都会の音声は、たしかに騒々しいが、鳥のさえずりに似てなくも
ない。押し寄せる情報は、風のようにも感じられ、その多様な動き
を全身に浴びれば、なかなかどうして快いものだ。

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なぜ、本座守MAPでこんな話をするかといえば、編集学校に入門

する人の中には、とめどないメールの量で滅入ってしまう人がいる
からである。教室に10人の学衆がいれば、その回答と指南だけでも、
一題につき20通。それに再回答や再指南、回答以外の発言を加えて、
17週間を掛ければ、目まぐるしい速度で大量のメールが届くことに
なる。普通に考えれば、かなり大変なことだ。お題毎に発言を分け
たり、発言者毎にフォルダーに振り分けたりして、みんなが、それ
ぞれの工夫を試しているらしい。 

現代社会に生きている人なら、誰しも少なからず気にかかる問題

だと思う。溢れる情報を、どう捌いて、どう自分のモノとするか、
ここがひとつの勝負の分かれ目。そこを越えると、見えてくる景色
が、一気に変わる。

 我こそは、と思う者は、ぜひ守で経験を積むがよい。情報の海に
呑まれず、方法で分けて、ワカルとカワル、編集の醍醐味をきっと
味わえることだろう。

(イシス編集学校23期[守]番匠 渡辺恒久)

【守map23】師範からの滋養満点!愛情たっぷり!番ボー差し入れ

 守全体がおおいに沸騰する「番選ボードレール」、略して番ボー。
締め切り間際まで、粘りに粘って回答と指南を重ねる学衆さんと師
範代の、息をのむようなやりとり、エントリー締め切りに向けたそ
の加速感は、日常生活のなかではなかなか味わえない新鮮な感覚で
す。

 そんな番ボー期間の皆さんの稽古ぶりはこちらをご覧いただくと
して、きょうは、各教室に届いたあったかな「差し入れ」をご紹介

しましょう。贈り主は、師範。

 各教室を日々見守る師範は、学衆さんの回答に対して直接指南を
行うことはしませんが、回答と指南にじっくりと目をとおし、学衆
さんのお稽古熱をもっと高めるにはどうしたらいいか、学びを深め
るには何が必要かと、日々試行錯誤を続けています。

 そんな師範が、番ボー期間中、「いま教室に届けたい!」と熱い
おもいをもって届けたアドバイスが、この「差し入れ」なのです。

 とぴとぴ読者の皆さまには、8名の師範の個性が滲み出るそのタ
イトルをこっそりとおすそ分けしましょう。


●一種合成・ラジカセ番ボー秘伝

●【稽古の奏法】
  一種合成はお見合いなのだ

● 番ボーのおやつ

●【番ボー招き猫】
   おかわり〜番ボーだからこそ生まれる創発を!〜

● ヨウセイ◎オン・ザ・ロック【一種合成編】

● ◎ふくふく饅頭【一種合成編】

● 番ボーへ まじめに差し入れ

● フレフレ、一種合成型! 

● 番ボー“祭り”にトコトンです!

● 【番ボー: ピントでヒント♪♪♪】マダムアイより

● 〜逢うが魔・酔夢〜 
     その2:羽のついた鍵を輪にかけて

● ライブハウス「八天闘徒」:純粋な沸騰の境界

 
なんだかタイトルだけ見ていても、わくわくしてくるでしょう?
もちろんその内容も、充実。今回のお題である「一種合成」の魅力
をたっぷり伝えています。

 で、どんな内容か?…いやいやそれはナイショです(笑)。

 その教室を共有する学衆さんと師範代が、その期の番選ボードレ
ールの機会だけに味わうことのできるほっかほかで滋味豊かな

「差し入れ」なんです。

 この先も、守では「第2回」の番選ボードレールの開催が予定さ
れています。ますます楽しいお題が待ち構えています。師範の「差
し入れ」も、さらにグレードアップしそうな予感!

 23守、これから梅雨を駆け抜けて、熱い熱い夏を迎えていきそう
です。

(イシス編集学校23期[守]番匠 伊藤真由美)