2011.4.27   [レポート]
[レポート]東京参座“たくさんの私” 生活編集術

4月24日。前日の強風と横殴りの雨とは打って変わり、都内は春らしい晴天。この日、港区赤坂にある編集工学研究所では、編集術ワークショップ 「東京参座たくさんの私・生活編集編」が開催されました。

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松岡校長の著作。参座にお越し頂いた皆さんに読んでいただけるよう、毎回ディスプレイしています。



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ワークショップは、「ポストイット編集術」、ほか二つの編集術を加えた三部構成。

思考するときにどんな道筋を辿っているのか。普段頭の中に閉じこもっている情報を、編集術を使って少しずつ取り出して行きます。受講された皆さんには、思考の流れを捉える方法の手応え、編集術のエッセンスを感じていただきました

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さて、後半戦はワークショップから少ししつらえを変えて、お茶と茶菓子を楽しみながら、イシス編集学校の師範を交えた「参座セッション」。この日の東京参座のテーマ“たくさんの私”を軸に、あらゆる生活の場面で活かされている『編集の型』や、学衆(生徒)たちの輪がみるみるうちに広がっていく面白さについて、サンザめくトークが繰り広げられました。

自分のもっているものを、活かす編集。

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畠山尚子師範/冷暖房メーカー広報

畠山尚子師範は、編集ワークショップに参加してから実は1年半ほど「守」受講を迷っていたとのこと。そんなとき、会社の上司から「自分の持っているものをもっと活かしなさい」と言われたそうです。特段自分に何ができるのかもわからないし、上司の言葉の意図もわからない。このことがキッカケで、ずっと気になっていたイシス編集学校に飛び込んでみることに。その後、一気に「守」「破」「花伝所」と進み、入門(「守」受講のこと)から僅か1年半で師範代、師範へと駆け上がることになります。


「教室という場で学ぶことがすごく力になったなぁと思います。本を読んで何かを知るということと、教室という場で稽古するってことは全く違いました。私も受講前は、『知の編集術』を読んで何となくわかった気になったりしていたんです。でも本って一回読むと知識としては入るけれど、いざ取り出そうとしてもなかなか出来ない。教室という場で、お題に対する自分の回答(取り出したもの)を、師範代と一緒に振り返ったり、同じ学衆さんたちの全く違う回答、“解”を見たりすることが、『編集の型』を理解し使いこなす上で、すごく刺激になりました」

 

畠山師範は、編集学校を出てからの変化を、写真を学んでいる時にも感じたそうです。  

「たとえば、クリスマス・カードの写真を撮るという課題が出たとき、被写体をどう構成するかアイディアが次々出てきました。アイテムを並べるにのも、対にしたり、組み合わせたり、何かに見立てたり、視点を変えたり。そういうことを、一つではなく何パターンも考えられるようになったと思います。編集稽古でトレーニングしている意識は、仕事にもアートにも料理にも、応用できます」

『編集の型』を学ぶことは、自分のもっているものを活かし、「思いつき」や「ありきたり」を脱する近道なのです。


電車の扉が開いた瞬間にワーっとスタート!

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濱口由貴師範/映像メディアオペレーター

濱口由貴師範は、子育て・家事・仕事の3点セットに加え、現在開講中の第25期「守」基本コース師範もこなしています。

「仕事から帰ってきて、子供を迎えに行って、それとすべて並行して家事をこなすってすごく大変。それをどう“編集”していくか。たくさんの必要なもの・ツールを考えて、それぞれ準備して、オーダー(段取り)をかけていく。どういう順番で何を片付けるかを頭の中でシミュレーションするんです。それで夕方、地元の駅に電車が滑り込んで扉が開いた瞬間にシミュレーションしたすべての行動をワーっとスタートさせます(笑)

全く同じ事を家事でも仕事でもやっている。会社に着いた瞬間に、頭の中に描いた流れに沿ってこなして行く。もちろん日々イレギュラーなことって多いですが、それでも大丈夫なように多重に組み立てておくんです。仕事にしても私生活にしても、スケールや種類に違いがあるだけで、やっていることはどれも似ている編集の『型』を使っていると思うんです。例えば仕事で何か行き詰まったとしても、これっていつも家でやっていることと同じだよねって思えると、解決までが一気に見渡せる」

“たくさんの私”が見つかるネットワーク

編集学校の編集稽古を通じて生まれる独自の交流について、濱口師範はこう話します。

「編集学校では人の“出逢い”がたくさんある。師範代が学衆同士のやり取りの場を作ってくれるから、どんどんいろんな人たちと繫がって行きます。同じ学衆のなかでも、住んでる場所も世代も違うから、みるみるうちに世界が広がっていくし、不思議と共通の趣味を持った人と出逢うんですよね。誰の前でも持ち出せなかったような自分が出せたり。稽古を終える頃には、教室の皆と自分にとって新しい、でも懐かしいくらいに親密な人間関係を築いていることに気がつくんです

編集稽古を共にすることで連帯感も生まれ、『編集の型』を掴むことで、学衆同士のコミュニケーションがどんどん密になっていくのです。

 

この日の参座は時間いっぱいまで、お二人の師範から“たくさんの私”についてと、編集学校の楽しみについてお話を聞くことができました。

今後も多様なテーマで、編集ワークショップ「東京参座」が開催されます。

皆さん、是非ご参加くださいませ。

 

【イシス編集学校】http://es.isis.ne.jp/

【各地の参座情報】http://es.isis.ne.jp/sanza.html

(学林局/梅村晃一)