2011.4.15   [レポート]
[レポート]編集術ワークショップ「東京参座~たくさんの私・生活編集術」

 4月は新しい生活が始まる月。
 入学、入社、引越し、異動など新たな環境がスタートした人も多いのではないでしょうか。

 新生活で戸惑ったり、ためらったり、混乱したりといったことがある中で、自分の身の回りの“情報編集”に焦点を当て、編集術ワークショップ「東京参座~たくさんの私・生活編集術」が4月10日に開催されました。

 このイベント内の座談会「参座セッション」にて、3人の編集コーチから生活編集のあれこれを伺いましたので、レポートをお届けします。

「自分の“好き”がわかるんです!」


moriyamaIMGP9773.jpg
森山
智子さ/イシス編集学校 師範・松丸本舗ブックショップエディター

 今やイシス編集学校の師範として、また松岡正剛校長プロデュースの書店・松丸本舗で活躍する森山智子さん。
 森山さんが、編集学校に入門してからの一番の変化は、「自分がもともと好きだったものが意識できるようになったこと」だそうです。

 「見つけるアンテナがたくさん立つようになりました。なんとなく好きだなぁと思ってたことに対して編集術を使うと、自分の好みとか関心とかを明確に意識できるようになるんです。」

 自分の中の情報を取り出し、関係性に注目したことで、好きなファッションやインテリア、考え方や雰囲気など、自分の好きな世界を楽しんでいけるようになったという森山さん。

 基本コース[守]で自分の“好き”がわかり、次は応用コース[破]へと進んだところ、
そこはさらに、好きなことを深める機会となりました。

 「取り出した情報を並べたりくっつけたりすることで、編集の『型』がわかるんです。なんとなく過ごしていた毎日の生活の中から、自分の好きな『型』を発見すると、他のことに当てはめたり再現できます。好きの“なぜ”“どうして”も、こういうとらえ方をすると、目利きの眼になっていきます。」

 編集稽古を通して、自分の“好き”のベースがわかったら、それを組替えて、自分の心地良いと思えることを増やしていくことができる。生活編集のエンジンになる。
 それが「自分の地面の発見」だと森山さんは語ります。

 
「外に向かって手を伸ばす」

aibe_IMGP9790.jpg
相部礼子さん/富士通 政策渉外、イシス編集学校 師範代

 会社から出向を命じられ、また復帰。お仕事の第一線に立ち続けながら、編集稽古をスタートし、いま師範代にもチャレンジしている相部さん。

 「仕事が忙しいと特に、好きなものはともかく、関心のないものには手がかりもなく、遠ざかったままになりがちですよね。それだけではダメだなって思ったのが編集学校でした。」

 今まで触れてこなかった新しい種類の情報へ導いてくれたのは、編集学校の様々な人たちだったそうです。

 「編集学校には、まず松岡正剛校長がいます。そして各教室にはコーチとして師範や師範代がいて、その中に一緒に稽古を進める仲間がいます。そういった方々からの刺激が新しい情報への手がかりになっていきました。」

 最初は不安に思えていた「未知」なることにも、ポンポンと飛び石を飛ぶように手が届く。知らなかった本や聞いたこともない仕事、そしてたくさんの人との出会いが「既知」へと変わります。外にあるたくさんの情報に手を伸ばすことが楽しくなり始めた、と相部さんは話されました。

 「外に出ることで『失敗』も増えます。私も最初はためらっていたけれど、失敗も一つの編集をおこすチャンスだと考えるとポジティブに捉えられるようになりました。」

「編集は全部をひとつにする」

IMGP9796.jpg
渡辺恒久/身体教育研究所 技術研究員・イシス編集学校[守]番匠

 

 編集学校に入るときは、自分の書くことが人に見られるのもためらうくらい自信がなかった、とおっしゃる渡辺さん。今は[守]基本コースの一翼を担う番匠(サブディレクター)です。

 「以前は自分の人生と関係ないものに飛び込んでいくことを、ためらっていました。情報が氾濫しすぎていて、自分が空中分解を起こしそうだったからです。」

 日本と海外を行き来し、翻訳やライター、広告関係の仕事など、多様なことに関わる中で、情報過多になり、自分の限界を感じたそうです。そういう中で、編集学校で情報編集の「方法」を学び、アレとコレを一緒にしたり、アレンジしたり、と情報への見方が変わったことで、押し寄せる情報にもくたびれることがなくなりました。

 「編集という考え方に出会ってから、全部がひとつになったような気がします。つながっていないと思ってたことが、どんどん結びついて、『関係』が見えるようになりました。」

 「関係」が無いと思って敬遠してきたものが、突然自分にとって身近なものへと変わっていくダイナミズムに、渡辺さんは夢中になっていったそうです。

 「自分が無意識で当たり前だと思っていたことが、がらりと変わってくるんです。自分の中で固まっていたもの、染み付いているもの、立っている場所は、決して当然のものではなく、常に動いているものなんです。」

 そして、最後に渡辺さんは“無駄”の大切さを話されました。

 「つまり脇道も大切ということです。実はどこかで本道とつながっていたり、本道より大切なものを見つけることもあります。そんな“無駄”に向かっていくことを編集学校で学びました。」

東京参座11.jpg
お菓子を囲んで「参座セッション」
 

 好きな色から世界の成り立ちまで、全部が情報に包まれていることを実感している3人だからこそ、情報編集の「方法」を通して、新しい世界に飛び出すことができました。新生活も“編集”していくことで、不安が希望に変わっていくことを確信できる「参座セッション」となりました。
 皆さん、ありがとうございました!

この春から新たな知の冒険へ!
基本コース[守]申し込み受付中!
http://es.isis.ne.jp/course_shu.html