2013.3.15   [レポート]
【編光景】29守一斉稽古/番選ボードレール発表!-2

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 ★ 図書室・理科室 ★ 
             講評: 遠島啓介 師範  

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 *講評*
 理科室での実験がきっかけとなり、科学への興味、探究心はどん
 どんと増していく。そしていつしか世紀の大発見。論文となり、
 書籍となり、図書室に蔵書される。そんな、研究者の人生が浮か
 び上がってくるようです。
 
 そしてもっと俯瞰して捉えると、図書室のその本は、次の若き研
 究者が手に取り、そこからまた新たなスタートが切られる。科学
 の進歩は、そんな壮大なバトンリレーといったイメージも。

 

 

 

 

*講評*
 シーンと静まった空間。書棚のあいだを歩きながら、ふと心にひ
 っかかった一冊を手に取る。その表紙をめくれば、未知の世界が
 開かれる。
 目の前に広がる大海原。その先につながるは多様な文化。期待を
 胸に颯爽と出航。さあ、次はどんな世界だ? 
 多彩な世界を知ることができる図書室にピッタリの見立てです。

 ゴクリと唾を飲み込み、そーっとフラスコを傾ける。・・・。
 失敗は成功の母。ならばと次は違う方法を試す。そうしたプロセ
 スの先に、新たな世界は見つけられるのを待っている。
 水中では呼吸ができない私たち。それでも神経を研ぎ澄まし、深
 く潜っていくのは、隠された別世界を見たいから。こちらもピッ
 タリの見立てです。

 

 

*講評*
  図書室で出会う本たち、読書をすればその世界観に入り込んでい
 き、気づけば現実との境界もあやふやに・・・。
 
 理科室では、「もし〇〇が〇〇だったら・・・」。
 目の前にある現実から、探究心が次々と萌芽し、育っていきます。

 イマジネーションが広がっていく空間という共通の“地”から、
 その微妙な違いを捉え、丁寧に丁寧に読みかえていきました。

 

 

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 ★ モンロー・ヘップバーン ★ 
            講評:齋藤成憲 師範              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

*講評*
 隙にも凛にも目盛りがあります。隙は拡がりすぎるとしどけ
 なくなる。凛も、引き締めすぎるとしたたかに映る。ですが、
 隙があるから色々な数寄に巡り会えますし、凛があるから、
 律がみえてきて、調子を整えることもできます。世界のすき
 間を捉えながら、韻律を守って詠うのが俳句です。モンロー
 とヘップバーンの合間に、すかさず日本の目盛りを忍ばせた、
 新田さんのミメロギアに、銅賞を贈ります。

 

 

 

 

*講評*
 疾風に勁草を知るという故事があります。疾風怒涛のままに
 駆け抜けたモンローの生涯でしたが、それを追い風に出来る
 ほどの堅固な草だったのかもしれません。風薫るとはそんな
 勁草を肌で匂ってみる行為にも思えました。モンローにも、
 ヘップバーンにも、それぞれの緑、そして緑陰を感じます。

 

 

 

*講評*
 いつも最高の微笑みを届けて、数々の著名人と多くの観衆を虜
 にした、モンロー。女の姿として生まれたことを享受し、徹底
 して「女らしさ」を築いたモンロー。女神か!?という問いは、
 モンローが背負っていた「秘密」や「出来事」に由来している
 のかもしれません。!と?の間を行き来してるようにみせるの
 がモンローの魅力であり、モンローっぽさなのでしょう。
 天使といえば、神に仕え、神と人間とを仲介し、人間の守護に
 あたることもある霊的な存在。神と人間との間に立つエンジェ
 ルが、銀幕のヘップバーンに、人生の違った見方(アングル)
 を授けたのかもしれません。その後のヘップバーンが、ユニセ
 フ親善大使に就任して、内戦の続くソマリアやスーダンに訪問。
 最後まで安らぎと温もりを届けることに徹しました。天使だ!
 という答えに行き着いたのも、納得です。

 

 

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 ★ 歌舞伎・能 ★ 
            講評: 青木 穣 師範             

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 *講評*
 箪笥の奥に大切にしまわれた着物に移ったほのかに
 つんとくる懐かしいにほひは世阿弥の奥義を匂わせ、
 おめかしした服にあわせた流行のかをりは先駆的な
 勘三郎の香りがします。火にくべられた香木が解き
 放つかをりのように、読んだ瞬間、秘められた場面
 と歴史が立ち上がる芳しい作品です。

 

 

 

 

*講評*
 同じ空気中の水滴でありながら、片や太陽の光を反射
 して七色に輝く虹と、片や太陽の光も通さない薄暗く
 ぼんやりした霧。煌びやかな世界と幽玄の世界。カラ
 フルなストライプは歌舞伎舞台の定式幕のようでもあ
 り、野外の能舞台はしばしば霧に包まれる。託した一
 文字の自然現象は思いがけない対角線を結び、多重多
 層な景色が浮かび上がります。

 

 

 

 

 *講評*
 ご存知「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」
 とは世阿弥の言葉。端的に「秘花」と切り詰めた潔さ
 が能に通じます。一方、真の花ではない「あだばな」
 は、異端である傾奇者の象徴。普通は「徒花」と書く
 ところを、あえて「華」と言い表したのもお見事。

 

 

-3に続く