2013.3.12   [レポート]
【編光景】29守一斉稽古/番選ボードレール発表!-1

イシス編集学校[守]基本コースには、「番選ボードレール」、

通称“番ボー”と呼ばれている期毎のイベントがあります。
 [守]の編集稽古の中から選ばれた1つのお題の回答を、
受講生が
作品としてエントリーし、
「番選ボードレール同朋衆(どうぼうしゅう)」
と呼ばれる師範陣が
“目利き” となって、作品を選りすぐって講評します。
[守]の番ボーのお題は、考え出すと止まらない「即答・ミメロギア」。

松岡正剛校長の創案による、名物エクササイズです。

「ミメロギア」は、イメージの<対比>と<連想>を組合わせた編集術。

29期[守]の番選ボードレールでも、
大勢の学衆(受講生のことを学衆と呼びます)のみなさんが
ミメロギアを遊びました。
お題ごとに投稿されたたくさんのエントリー作品の中から、

入賞作品と講評の一部をご紹介します。どうぞご覧ください。

 

 <入賞作品と講評のご紹介>
 

 -1  ●料亭・居酒屋
    ●サンタ・えびす
  
  ●かまくら・つらら

 -2
  ●図書室・理科室

    ●モンロー・ヘップバーン

    ●歌舞伎・能

 -3
  ●新聞・猫

    ●偶然・必然
   <解説>◯「ミメロギア考」

 

 

 

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 ★ 料亭・居酒屋 ★
                            講評:渡會眞澄 師範
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*講評*
 
 “に”と“で”という助詞の使い分けも効いています。料亭
 は特別で、居酒屋はどこにでもある場所。声にだして読むと、
 音の違いがアクセントにもなりますね。

 

 

 

 

 *講評*
 
 「細そ笑む」も「抱腹」も、もとはそれぞれの客から連想し
 たのでしょうか。「笑い」を地において、言葉を削いで、さ
 らに料亭と居酒屋を擬人化することで、パロディアたっぷり
 のミメロギアになりました。


 

 *講評*
 
 視覚でとらえることのできない香、カタチのない煙、どちら
 も消えゆく儚さをもちながら、見立てによって浮かび上がる
 情景は対をなし、読み手のなかで、ヨコにタテにどこまでも
 豊かに広がっていきます。薫香と煙火。本気の遊び心があっ
 たからこそ出逢えた言葉ですね。料亭と居酒屋のらしさを磨
 き上げた二語に託し、味わい深く仕立てました。

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 ★ サンタ・えびす ★
                            講評: 鈴木亮太 師範

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 *講評*
 
 Amazonと楽天。ここ十年で流通の仕組みをガラッとかえて
 しまった両雄です。もちろん洋のAmazon/サンタと和の楽天/
 えびすという対比もあるのですが、Amazonと楽天のビジネス
 モデルのちがいの見立てとしても興味深い。

 

 

 

 *講評*
 
 サンタさんの髭やら肉付きやら衣装の質感やらはもう
 「もふもふ」と言われてしまうとそれ以外に思いつきません。
 具体的に描写せずとも「もふもふ」だけで幸せを運ぶサンタ
 さんのらしさのすべてを包含してしまっているのです。
 えびす様の「ぽんぽこ」がまた秀逸。「たぬきかよ!」と
 突っ込みを入れたくもなりますが、たしかにたぬきっぽい
 ですよねぇ。福をばらまくえびす様のらしさをぎゅっと
 つかんでいるところが魅力的です。

 

*講評*
 
 大きな白い袋を肩にかけたサンタさんが無垢な子供たちに
 プレゼントを無事に届けて去っていくその後ろ姿。
 どっしりと低い重心で構えたえびす様、そのちょっとや
 そっとの力で押してもびくともしないような安定感。
 この二人の素敵なおじいさんが、わたしたちが求めている
 果報や僥倖を身体のどこで支えているのか、どこに蓄えて
 いるのか。石森さんはそこをしっかりとつかみとりました。

 

 

 

 *講評*

  「橇に乗っている人」「釣りをしている人」ではなく、
 ひらがなを使って「そりびと」「つりびと」と言葉を圧縮することで、
 意味やイメージをギュッギュッと凝縮しているのですね。
 「そりにのってやってきて贈り物をくれて・・・」
 と長々と説明するまでもなく、この「そりびと」と「つりびと」は
 物語を語ってくれているのです。

 

 

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★ かまくら・つらら ★
                            講評:土弘真史 師範        
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 *講評*
「木琴なかまくら」、これだけだと「なんのこと?」と戸
 惑ってしまいますが「鉄琴なつらら」と並ぶと……なるほ
 ど納得。「かまくらって木琴っぽい!」と思えてしまう。
 ミメロギアの方法の力を示してくださいました。

 五感のカーソルづかい、冬の風物から楽器へのジャンプの
 大きさ、切り口のソロイの美しさと、お稽古で身に着けた
 編集術を活かそうとする意気も光ります。かまくら・つら
 らのハーモニー、聞いてみたいです。冬奏でる銅賞を贈り
 ます。

 

 

 

 *講評*

 かまくらの要素は汗、つららの要素は時。「そんな見方が
 あったのか!」と一本取られた気分です。

 アイダに「結晶」という言葉を挟まれたのもうまかった。
 結晶いえば雪、塩、クリスタル……。その言葉にも、キラ
 キラ、サラサラと、そこはかとなく冬らしさが。私はあわ
 せて「不純物を除いてギュッと凝縮」というミメロギアら
 しさも感じました。冬結ぶ銀賞を贈ります。

 

 

 *講評*
 談笑は独りではできず。そこにはかならず複数の人が集ま
 り、会話がなされています。寒を避け、人が集うかまくら
 らしい光景は、「微笑のつらら」とつなげることで、キャ
 ラクターに変化。手品のようなミメロギアでした。

 性格美人のかまくらちゃん、クールビューティーのつらら
 ちゃん。厳しい寒さもなんだか楽しくなりますね。冬笑む
 金賞を贈ります。

 

(-2に続く